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【暮らし】

育休復帰の準備と心構え 焦らず、気負わず 想定通りにはいかない

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 育児休業から職場復帰する前は、子育てと仕事を両立できるか不安が大きい。復帰後も「仕事に早く慣れなければ」などと焦って自分を追い込みがち。こうした不安を軽減し、仕事をスムーズに再開するための準備や心構えとは何か。育休中の社員向けに研修を開いている企業がある。先輩社員の経験談から、どの職場でも応用できるヒントを紹介する。 (寺本康弘)

 「月末など絶対に休めないときに限って、子どもが風邪をひく。いつ呼び出されるか、電話が怖かった」

 「SOMPOホールディングス」が先月、東京都新宿区の本社で開いた社内研修。四月以降に育休から復帰するグループの社員約二百人らを前に、先輩社員が復帰前後の経験談を話した。登壇したのは、九歳と五歳の娘がいる森川絢(あや)子さん(37)と、六歳の息子を育てる披田(ひだ)麻衣子さん(40)。

 森川さんが強調したのは、仕事が終わってから寝るまでの家事や育児を想定しておくこと。実際は計画通りにはいかないこともあったが、家事の段取りなどに役立ったという。

 子どもの病気への備えも必要だ。風邪をひいたときなどに預かってもらえる病児保育の登録は忘れずに。「風邪がはやると、どこも予約がいっぱいになる。複数登録しておくと良い」と森川さん。預ける時に用意するものも実施施設でまちまち。復帰前に確認し、実際に準備してみるといい。

 復帰後、帰宅が遅くなることもある。披田さんは、夫に子どもと二人きりで一日過ごす経験をしてもらった。「復帰すると研修や出張があり、夫と子どもが二人だけで過ごす時間が多かったが、任せることができた」と語る。祖父母の協力を得られる人も同様に何度か預けてみる。

 復帰後の仕事の進め方は優先順位を決めて早めが基本。披田さんは「いつ急に休むか分からない。実際の締め切りより前倒しで仕事を進めてきた」と話す。森川さんは誰でも代わりに仕事ができるよう、担当する仕事のマニュアルを作成。「その日来た新人でも分かるような資料を作っている」

 周囲とのコミュニケーションも大事。二人は口をそろえて、上司や同僚との情報交換が大切と説く。子どもが体調を崩しそうな前兆があれば、「あしたは休むかもしれません」と報告しておけば、周りも心構えができる。事前に残業できる日を伝えておけば、遅い時間帯の会合をその日に回すこともできる。

 ただ心構えや準備をしっかりしても、現実は予定通りとはいかない。二人も「復帰直後は日々無事に過ごすだけで精いっぱい」「家ですることが予想以上に多く、仕事も復帰前のようにいかない」と振り返る。早く仕事に慣れたい、周りに迷惑をかけたくないと焦らず、気負いすぎない心掛けも必要だ。

◆情報交換しやすい職場に

 育休から復帰する同僚を職場はどう迎えたらいいのか。企業向けに両立支援のノウハウを提供しているキャリアネットワーク(東京都港区)のチーフコンサルタント安藤博子さんは管理職の雰囲気づくりが大切と訴える。「配偶者や祖父母の協力が得られるかどうかなど、復帰する社員一人一人で事情は異なる。まずは話しやすい職場環境をつくるのが大切」

 子育て以外にも、親の介護をしていたり、不妊に悩んでいたりする社員がいるかもしれない。安藤さんは「それぞれの事情を把握し、必要に応じた配慮や支援をするのが管理職としての責任」と話している。

 

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