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【暮らし】

金利、返戻率高い外貨建て保険 受取額 為替相場で変動

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 米ドルなど外貨で運用する外貨建て保険。円建てと比べて金利が高く、高い返戻率が期待できるとして、存在感を高めている。ただ、為替相場の影響を受けるため、保険金の受取額が、支払った保険料より下回るリスクもある。学資目的など保険金を使う時期が決まっている場合などは注意が必要だ。 (砂本紅年)

 東京都内の四十代会社員女性は昨秋、第二子の学資保険の相談のため保険代理店を訪れた。担当者は「低金利が長期化する日本に比べ、海外は金利水準が高い」と外貨建ての終身保険を勧めてきた。女性に投資の経験はなく、契約するかどうか迷っているという。

 長引く超低金利で、円建て保険は高い利回りでの運用は困難となり、魅力が薄れている。そこで注目されているのが外貨建て保険。保険料の支払いや保険金の受け取りに主に外貨が用いられるのが特徴で、利率や返戻率の高さが魅力だ。

 ファイナンシャルプランナーの海老原政子さんは「高い利率で営業側も売りやすいのでしょう。ただ商品をよく理解しておかないと後悔することになりかねません」と話す。

 外貨建ては為替相場の影響を受けるため、月々の保険料が変動することが多い。例えば、月百ドルで米ドル建ての保険を契約した場合、一ドル=一〇〇円であれば一万円、九〇円であれば九千円、一一〇円と円安になれば一万一千円となる。

 受取額も、保険金が五万ドルの場合、受取時に一ドル=一〇〇円だと五百万円だが、円高で九〇円になると四百五十万円に減る。加えて通貨交換時には為替手数料もかかる。ただ、契約時に、満期時の為替相場を予想することは難しい。円高に大きく振れると、支払った保険料より受取額が下回るリスクもある。

 こうしたことから、海老原さんは「学資目的など、保険金を使う時期が決まっている場合は向かないのでは。入学手続きは待ったなし。必要な時に使えなければ意味がない」と指摘する。

 為替相場が有利な時期に解約し、利益を出そうと思っても、途中解約の場合は返戻率が低く、思ったような利益を上げられないケースが多い。比較的保険料が安くなる「低解約返戻金型」の保険だと、支払った保険料の七割程度しか戻らないこともある。

 海老原さんは「会社の団体保険や住宅ローンの団体信用生命保険で、既に稼ぎ手の死亡保障があるなら、あえて保険で教育費をためる必要はない。財形貯蓄などで教育費をため、繰り上げ返済などで住宅費負担を大学入学前に減らしておく方が家計のためになるでしょう」とアドバイスしている。

 ◇外貨建て保険の注意点 

・為替相場の影響を受け、円建てでの受取額が予想しにくい

・支払った保険料より、受取額が下回る可能性もある

・通貨交換時に為替手数料がかかる

◆十分に理解して契約を

 銀行窓口での保険商品の販売が全面解禁されて10年たつが、外貨建て保険などリスクのある商品を十分に理解しないまま契約、トラブルになった事例が目立ち、国民生活センターが注意を促している。

 同センターには、高齢者を中心に「銀行から預金より利率がいいと誘われた」「元本保証の定期積み立てと思っていた」などの声が寄せられている。

 契約申し込み後でも、一定条件を満たせば解除できるクーリングオフ制度はあるが、外貨で返金され、為替手数料分などで損をした事例も。同センターは「一人で判断せず、内容が分からなければ契約しないように」と呼び掛けている。

 

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