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【暮らし】

<始まる民泊>ヤミ営業(下) 登録制で規制へ

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 これまでに取材したヤミ民泊の実態からは、主に四つの問題点が浮かび上がった。(1)違法にもかかわらず仲介(予約)サイトに掲載されている(2)違法営業をしている家主の正体がつかめない(3)旅行者による騒音やごみ出し(4)部屋の鍵などセキュリティー管理−。これらの問題点は、六月から施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)で対策が進むのか。専門家などの意見も交えて、考えてみた。 (添田隆典)

◆仲介サイト 登録制で規制へ

 厚生労働省が二〇一六年に主要なサイトから一万五千件の物件を抽出調査したところ、旅館業法に基づき保健所の営業許可を得ていたのはわずか17%。一方、無許可は31%、正確な住所が記載されていないなど「特定不可・調査中」は53%に上った。同省の担当者は「許可されていれば住所はすぐ分かるはず。特定不可の物件も合法とは考えにくい」と話す。

 はびこるヤミ民泊を締め出そうと、新法は仲介サイトの規制を強める。仲介サイトを観光庁への登録制とし、登録サイト以外への掲載を禁止したほか、届け出のない違法民泊を繰り返し掲載した場合は、登録の取り消しや業務停止となり、さらに続けた場合は懲役などの罰則もある。

 世界最大の民泊サイトで、日本の物件を六万二千件掲載する「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、観光庁に登録して運営することを表明。同庁の担当者は「違法な民泊が普通に掲載される状況は、間違いなく改善される」と話す。違法のままでは大手サイトに掲載できなくなるため、ヤミ民泊を大幅に減らせる効果があると見込んでいる。

 ただ、それでもヤミ民泊は残り続けるとの見方もある。新法では年間で営業できる日数は最大で百八十日。加えて、各地で民泊への規制が進む。年間五千五百万人の観光客が訪れる京都市が、住居専用地域での営業を観光閑散期の一月半ばから三月半ばの二カ月間に限定するなど、全国の四十四自治体が条例で区域や曜日に独自の制限を設ける予定だ。

 民泊に詳しい立教大観光学部(埼玉県新座市)の東徹教授は「百八十日の営業日数では割に合わないと考える人間は、違法で営業するだろうし、受け皿となる未登録のサイトも一部で出てくるだろう。そうなると、特定は容易ではなくなる」と指摘する。

◆集合住宅 保安管理が課題

 新法では、民泊に家主が同居する場合は家主、業者に管理を委託する場合は業者に二十四時間の苦情対応が義務付けられ、業者は連絡先を公開しなければならない。苦情には騒音やごみ出しのマナーも含まれるため、周辺住民からも改善を求めやすくなる。

 ただ、新法は、集合住宅のセキュリティーについての条文はなく、解決策に触れていない。入り口のオートロック暗証番号を旅行者に教えていいのか、部屋の鍵をどう管理するかといった問題が残り、個別にルールを定める必要がある。

 このため、民泊そのものを敬遠するマンションは多い。マンション管理業協会(東京都港区)によると、全国の分譲マンションのうち、管理規約の改正や、管理組合の総会・理事会での決議で民泊を禁止したマンションは二月時点で八割。残り二割弱はまだ意思決定していないが、容認は0・3%にとどまる。

 

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