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【暮らし】

アレルギー薬 進歩したが… 対策の基本はダニ退治

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 ぜんそくや通年性鼻炎などのアレルギーは、治療薬の進歩で症状がコントロールしやすくなった。それでも、対策の基本は症状を引き起こすアレルゲンになるべく触れないことだ。清掃や洗濯などで自宅内のアレルゲンを除去する「環境整備」について、専門家は「家庭用品の進歩でより合理的にできるようになってきた」と、積極的に実施するよう勧める。 (稲田雅文)

 名古屋市の認定NPO法人「アレルギー支援ネットワーク」が先日、市内で開いた「ダニアレルギーから子どもを守るための最新情報」と題した講演会。「効果が高い吸入ステロイド薬が出て、即効性という意味で効果が出にくい環境整備はおきざりにされている」。あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)の伊藤浩明副センター長はこう指摘した。

 伊藤副センター長は、三十年前から名古屋市とともにダニアレルギーの問題に取り組んできた。「子どものぜんそくの対策といえば、家の中の環境整備が原点だった」と語る。

 花粉が気になる季節だが、一年の中で室内でアレルギーを引き起こす原因物質の主なものはダニだ。見えるほどの大きさで病気を媒介するマダニと違い、体長が〇・二〜〇・三ミリほどのチリダニがアレルゲンとなる。アレルギーを引き起こしやすいのはふんや死骸で、空気中にほこりとともに巻き上げられて人が吸い込むことで、ぜんそくや鼻炎などを発症する。

 ダニの対策は、増殖を抑制し、物理的に除去することが大切だ。

 ダニが発育しやすいのは、室温二五度前後、湿度75%前後。ちょうど梅雨ごろの気候がもっとも繁殖しやすい。窓を開けるなどして気流の停滞を防ぎ、エアコンで湿度を調整する。

 大切なのが掃除だ。名古屋市の調査では、最もダニが多いのが毛足のあるカーペットで、畳、フローリングと続く。

 ダニを増やさないために勧めるのが、一平方メートル当たり二十秒を費やす「丁寧な掃除機がけ」=イラスト=だ。掃除機のノズルはだいたい二十五センチといい、一秒当たり五十センチの速さで前後に二秒かけて往復させる。一平方メートルは八往復でカバーできる。「ぞうきんがけと違い、力を入れてこすらないこと。大変だが毎日する必要はない。少し手を抜き一週間に二、三回でも効果はある。ほこりセンサーを備えた掃除機なら、見ながらかければ合理的」と説明する。

 ダニのすみかとなりやすい布団は天日干しをし、週に一回程度、表と裏の両面を掃除機がけをする。ダニのふんなどのアレルゲンは水に溶けるため、寝具で水洗いできるものや縫いぐるみは洗濯をする。

 企業もダニアレルゲンのコントロールにタッグを組む。アレルゲン対策をした壁紙やカーペットを販売するサンゲツや空気清浄器のダイキン工業、高密度繊維でダニの侵入を防ぐ寝具カバーを製造する帝人フロンティア、塩野義製薬の四社は昨年十一月、ダニアレルギー対策会を発足。同ネットワークと協力し、啓発に乗り出した。

 最近は、アレルゲンを少量ずつ投与して体を慣らし、アレルギー症状を和らげる免疫療法が普及。一度アレルギーを発症しても根本的な改善が見込める。

 伊藤副センター長は「免疫療法が有効ということは、やはり室内の環境にアレルゲンがあるからアレルギーを引き起こしていることが分かる。アレルギーに悩む人は、新しい家庭用品を取り入れるなどして、できる範囲で環境整備に取り組んでほしい」と呼び掛けている。

 

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