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【暮らし】

<家族のこと話そう>長男も願った弟誕生 通信社記者 西村・プペ・カリンさん

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 昨年十一月に、次男を出産しました。今は育休中ですが、四月に仕事に復帰する予定です。すごくかわいくてもっと育休を取りたかったけれど、区に聞いたら「四月に復帰しないと、保育園に入るのが難しい」と言われて。長男(5つ)と同じ都内の認可保育園に次男も通えることになりましたが、保育園に入るのがいかに難しいのか実感しました。

 日本人で漫画家の夫(じゃんぽ〜る西さん)とは、八年前にパーティーで出会いました。夫はフランスに一年住んでいたことがあって「パリ、愛してるぜ〜」という漫画を描いていた。初めてしゃべったとき、彼は「僕の漫画は、アマゾンの中古で一円で売ってる」と言うんです。翌日、私はその漫画をアマゾンで三百十五円で注文しました。内容がおもしろかったので、私からメールをしました。それをきっかけにお付き合いが始まりました。夫はすごく優しくて、怒ったことがない。フランス人の友達との議論が白熱して私の口調が強くなると、「まあまあ」と割って入って落ち着かせてくれます。

 子どもたちにはフランス語で話し掛けますが、完璧な日本語を話す長男からは「ここは日本なんだから、日本語で話して」と言われます。保育園の子やママ友とは、長男がゼロ歳児クラスからずっと一緒。フランス人だからと特別扱いされることなく、一緒に花見をしたり、とても仲良くしてもらっています。

 長男は三歳ぐらいから「弟か妹がほしい」と言っていました。私たちも二人目がほしくて一昨年の夏に妊娠したのですが、流産してしまった。病院の先生に「もう妊娠は無理ですよね」と言ったら、先生は「むしろ次回の方が可能性がある」と優しく言ってくれました。長男も神社で赤ちゃんがわが家に来るようにお願いしてくれたんです。そうしたら、流産から一年もしないうちに自然妊娠し、四十七歳で出産しました。勤めているAFP通信の東京支局長も子どものいる女性で「次は流産しないように」と配慮し、安定期を迎えるまでなるべく在宅勤務をさせてくれました。

 以前、夫に冗談で「家族でフランスに戻ろうか」と言ったことがあります。夫は私が本気だと思って心配して、夜も眠れなかったみたい。日本は治安もいいし、子育てしやすいので私は日本にずっと住みたいと思っています。

 でも「一人育てるのに教育費約一千万円がかかる」など、大変さや苦しさが強調されがちです。それで子どもを産む人が減ってしまったら、すごく残念。だから私は「子育てってこんなに楽しい」と知ってほしいと思っています。

 聞き手・細川暁子/写真・木口慎子

<にしむら・ぷぺ・かりん> 1970年、フランス・ブルゴーニュ生まれ。AFP通信東京特派員。97年に来日し日本文化について取材。2010年に仏国家功労勲章を受章。近著は「不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人」(大和書房)。

 

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