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【暮らし】

ユニーク!やる気アップ制度 シフトなし出退勤自由・嫌いな作業免除も

エビにパン粉をつける「パプアニューギニア海産」のパート社員ら=大阪府茨木市で

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 社員やパートが気持ち良く働ける職場にしようと、ユニークな社内制度を導入している会社がある。出退勤時間を自分で決めたり、目立たない仕事を社内通貨で評価したり。社員の視点に立った工夫した取り組みは、働く人のやる気を引き出している。(寺本康弘)

 大阪府茨木市にあるエビ加工卸の「パプアニューギニア海産」の作業場。白い作業着姿のパート社員六人がエビの殻むきやフライ用のパン粉つけをしていた。

 同社の特徴はパートの働き方。シフトはなく出勤は自由。働く時間も午前八時半から午後五時までなら何時間でもOK。つまり働く日と時間を自分で決められる。

 そんなゆるい制度で職場がまわるのか疑問がわく。しかし工場長の武藤北斗さん(42)は「問題ない。パートの方は稼ぎたいのだから全く来ないなんてことはない」と話す。飲食店などへの納期も必ず守っている。

 また袋詰めや計量、掃除など約三十ある作業のうち嫌いなものは免除されるルールも導入。武藤さんは「ある作業を全員が嫌いということはない。嫌いな作業をやらなくていいと仕事への意欲も前向きになる」と説明する。

 同社は二〇一三年夏からこうした制度を順次取り入れている。東日本大震災で宮城県から移転した際、パートの定着率が悪く、さらに頼りにしていた社員も辞めてしまったことがきっかけ。武藤さんは「初めてパートの働き方を変えないと、と気付いた」と言う。

 制度導入以降パートが定着するように。シフトづくりなどの作業も減り二人いる社員の負担も軽くなった。一方の業績は安定している。パートは現在十六人。時給九百五十円と高くないが、制度が評判で人が集まる。「二十万円かかっていた求人広告費はゼロになった」という。

 三人の子どもがいるパートの女性(36)は「子どもが急に熱を出したり、PTAの行事があったりして休むときも気を使わず、心のゆとりにつながる」と話す。

 ◇ 

 社内通貨で社員同士のコミュニケーション活性化を図っているのは、既卒者の就職サポートや転職支援をする「UZUZ(ウズウズ)」(東京都新宿区)だ。

 パソコン操作に困った同僚を手伝ったり、顧客向けの案内地図を作ったりと、業績評価には反映されにくい、ちょっとした作業を評価するのが狙いだ。

 一六年四月から始めた。通貨の名前は「ウズポ!」。恩恵を受けた人が社内サイトで「感謝」を報告すれば、一回の「感謝」につき〇・一ウズポ(現金百円相当)を会社が作業した人に与える仕組みだ。

 ためたウズポは社員間の飲み会などの費用補助や、新規プロジェクトなどに活用できる。立て替え払い後に、会社に申請するとウズポが現金化されて口座に振り込まれる。私用には使えない。また各月で最も活躍した人に十ウズポをプレゼント。これまで社員旅行の幹事業務をした人や営業で活躍した人などが選ばれている。

 川畑翔太郎専務(31)は「目立たないけれど頑張っている人にも光があたる。社員のやる気向上につながり、社員同士の交流も広がった」と手応えを話す。

 転職情報サイト「リクナビNEXT」の藤井薫編集長は「会社が社員に合わせた経営をし、社員の意思決定を奪わないことで、社員一人一人が主体的に働くことができる」として、両社の取り組みを評価する。

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