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【暮らし】

男性の乳がん患者 交流会で語り合う

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 女性ではがんの中で最も多い乳がんが男性にも発症することはあまり知られていない。女性に比べて患者がとても少なく、がんの発見が遅れることもあるという。NPO法人キャンサーネットジャパン(東京)は、特有の悩みを語り合う患者の交流会を開いて、孤立しがちな患者の支援と、この病気への理解を広める活動を始めた。 (由藤庸二郎)

 日本乳癌(がん)学会の登録によると、二〇一五年に新たに乳がんと診断された患者は八万七千人余り。このうち男性は1%未満の五百六十人だ。国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科医師の下村昭彦さんは「家族歴などの遺伝的要因や年齢、肥満などがリスク因子となると考えられています」と話す。

 男性が乳がんに気付くきっかけのほとんどは乳頭直下の「しこり」。乳の形に左右差が生じることもある。日頃から意識する女性と違い、男性は病気が進んでから受診する人が多いといわれる。下村さんは「知られていないことが受診の遅れにつながるのでは」と懸念する。

 下村さんによると、男性乳がんだけを対象とした治療は開発されていないため、女性に準じて治療される。手術が可能ならがんを切除し、手術後は抗がん剤や放射線治療などを組み合わせて再発を防ぐ。

 キャンサーネットジャパンは近年、「男性乳がん患者が同病の人に会う機会がない」との相談が増えた。このため、患者が集まって気さくに話ができる「メンズBC」(BCは乳がんの英語の頭文字)を企画。第一回を今年一月に開いた。

 初回参加者は三人。いずれも同病の人と会うのは初めてで「インターネットを含めて情報が少ない」「乳がんと言うと必ず驚かれる、聞き返される」など口々に悩みを話し合った。

 埼玉県の病院職員の男性(50)は四年前、大腸がんの手術の後でほかに異常がないか検査を受けた際に、左胸に乳がんが見つかった。

 男性は、経験談や治療法の情報が乏しいことに驚いたという。今では女性主体の患者会にも参加するようになったが、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)検査室を出た際に感じた、居合わせた女性の「えっ」という視線が忘れられないという。

 埼玉県川口市の町田亮二さん(64)は五十九歳で発症。左胸に約二センチのしこりができ、かかりつけの医師に相談すると、触診後すぐ「大病院で検査を受けて」と勧められた。

 診断された乳がんの病期は既にステージ3Bまで進行していた。「しこりができて間がなく、早期がんだと思っていたのでショックでした」

 今のところ再発はないが、手足のしびれと冷えが強く、家でも手袋が外せない。女性より副作用が強いのかと思うものの、ほかの患者の情報がないので分からない。「男性乳がんを知ってもらい、国にも研究を進めてほしいと考えて取材に応じました」と言う町田さん。

 キャンサーネットジャパンは、次回四月十四日に開く第二回への出席者を募集中だ。参加申し込み、問い合わせは同会ウェブサイトか、電話03(5840)6072まで。

 

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