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【暮らし】

<どうしてますか家事>細かい作業をリストアップ 分担話し合い不満軽減

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 家事の分担は、夫婦のもめ事になりやすい。現状では、妻が質量とも多くを引き受けている家が多く、妻が担っている家事の総量を分かっていない夫も少なくない。例えば、「ごみ捨て」といっても、ごみ袋を集積所に運ぶ以外にも、家中のごみ箱を集めてごみ袋に詰めるなど、それ自体には名前がついていない、いわば「名もなき家事」もある。そんな家事も含めて、分担に知恵を絞った例を紹介する。 (寺本康弘)

 「なんで私ばかりがやらないといけないの」「俺だってやっている」

 本紙読者の東京都東村山市の矢元利幸さん(30)、真理さん(31)夫妻は、長男が生まれた一年ほど前から家事の分担でもめることが多くなった。ともに公務員。真理さんが育休を取ってからは、家事の負担は増える一方だ。出産後は授乳やおむつ替えなども加わり、手に負えなくなってきた。

 利幸さんに「もっとやって」と訴えても平行線。そんなときに雑誌で知ったのが「家事の見える化」だ。真理さんは、普段の家事・育児の項目をリストアップし、利幸さんに見せた。細分化すると項目は百ほどになった。

 項目ごとに、それぞれがやっていることを整理すると、割合は真理さんが八、利幸さんが二。だが利幸さんは納得できない。「こっちは外で仕事をして、家事もしている」

 利幸さんは、要した時間や負担感などを考慮してリストを作り直した。項目ごとに頻度▽時間▽難易度▽負担度−を数値化した。それでも真理さんの方が圧倒的に家事をしていた。利幸さんは、その作業をしたことで「もう少し努力しようという気持ちになった」と話す。

 家事が多岐にわたることも痛感した。「ごみ捨て」は集積所に運ぶことと捉えがちだが、その前に各部屋のごみ箱を集めて分別したり、新しい袋をごみ箱にセットしたりといった、細かな家事もあることをあらためて認識した。排水口のネットを新しくしたり、洗剤類を補充したりするのもそう。細かい作業も含め書き出して整理したことで、冷静に話し合えるようになったという。

 現在は、真理さんも職場に復帰している。家事は利幸さんより多く担っているが、「知られないまま細かい家事をするのは悲しいが、認識した上で感謝してくれるので納得はできる」と話す。

◆依然高い妻の負担感

 総務省の二〇一六年社会生活基本調査によると、一日平均の家事・育児時間は共働き夫婦の場合、妻の四時間十二分に対し、夫は三十一分だった。

 大和ハウス工業は昨年、共働き夫婦に、家事に関する意識調査を実施。家事の負担割合を尋ねた。最も多い回答は、夫は「夫三割妻七割」だったが、妻は「夫一割妻九割」。同社は「妻が思っているよりも、夫は『自分はやっている』と思っている」と指摘する。

 男性の家事・育児時間が少ないことについて、大正大心理社会学部准教授(男性学)の田中俊之さんは「団塊の世代が形成した『男は仕事、女は家庭』の習慣が、今も人々の意識と社会構造の中に残っていることが原因」と話す。

 徐々に男性の家事・育児時間は増えている。ただ、田中さんは「個人の意識だけでなく、男女間の賃金格差解消や男性の働き方の見直しまで議論しない限り、根本的な解決は難しい」と話す。

◆意見や体験談募集

 家事に対する意見や体験談を募集しています。メール=seikatut@tokyo-np.co.jp=件名に「どうしてますか家事」と記入を。随時掲載します。

 

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