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【暮らし】

<くらし調査隊>転入・転出届の提出 住基法では14日以内、怠れば過料も

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 新年度を前に、進学や就職、職場の異動で引っ越しをする人が増える時期。石川県内の女性(59)から本紙に「次女(25)が住んでいた市に届けを出さずに転居し、過料を払った。厳しい決まりがあるとは知らなかった」との投稿があった。住民基本台帳法では、転居、転入日から14日以内の届け出が定められ=図、正当な理由がなく手続きを怠ると、5万円以下の過料に処される場合があり、注意が必要だ。 (出口有紀)

 昨年9月、女性の次女のもとに、地元の簡易裁判所から文書が届いた。女性によると「住民基本台帳法違反」「過料決定」などと書かれていたという。

 女性によると、次女は長女(33)と2人で暮らしていたが、2016年末に同じ市内に転居。次女は会社勤めをしており、平日に自宅からバスで40分ほどの市役所に出向くことが難しく、女性は「つい、届け出を延ばしてしまった。本人は同じ市内だから問題ないと思ったようだ」と話す。

 その後、長女が病気療養のため、女性が住む別の市の実家へ引っ越すことになり、昨年9月に市役所へ転出届を提出。一緒に自らの届けを出した次女が転居日を担当職員に伝えると、職員から「長い間、手続きしていないから、悪質と見なされ、罰則があるかも」と伝えられた。

 文書が届いた後、次女は仕事などのため届けが出せなかったとして簡易裁判所に異議申し立てをしたが認められず、過料5000円と申し立ての手続き費用の計6000円を支払った。女性は「こんな義務があるとは知らず、悪気はなかった。同じ市内で引っ越しをする人も気を付けてほしい」と話す。

 総務省は各市区町村に、住民が転入、転居後14日以内に届け出なかった場合、各市区町村が理由を添えて簡易裁判所に通知するよう指導している。過料に処すかは裁判所が判断するが、同省の担当者は「本人の急病や事故、風水害など不可抗力の事情は正当な理由なので、市区町村が通知する必要はない。ただ、『役所が遠い』などの事情は理由にならない」と話す。

 この春から実家を出て1人暮らしをする学生も下宿先が生活の本拠となり、住民票を移す必要がある。同省の担当者は「春休みや夏休み以外にも、ひんぱんに実家に戻るなど特段の事情がある人以外は、きちんと手続きをしてほしい」と話す。

 住民票は国民健康保険や国民年金、児童手当など、行政サービスを受けるための基盤となっている。選挙人名簿の登録にも必要となる。引っ越しが増える3月下旬や4月上旬の土日や夜間に住民票に関する窓口を置く市区町村もあり、出向く際に確認することもお勧めだ。

 

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