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【暮らし】

楽しむ心さえあれば無敵 本紙記者・清水孝幸、元文科省・寺脇研さん 「地域デビュー」で対談

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 毎月第一土曜日掲載の「清水孝幸の50代の地域デビュー」が「定年が楽しみになる! オヤジの地域デビュー」の書名で刊行された。それを機に、清水記者(56)と、長年、文部科学省で生涯学習の振興に努めた寺脇研さん(65)が、地域づくりや生きがいづくりなどについて語り合った。

 寺脇(以下、寺) 定年後は老け込む人と若返る人に分かれますが、清水さんは若返ること間違いなし。私も清水さんも子どもがいませんが、清水さんは地域の子どもと接しているから。

 清水(以下、清) 小学校にボランティアに行くと、子どもがどんどん話し掛けてくれたんです。今では近所の子の面倒もみるし、赤ちゃんに声をかけて笑ってくれると幸せだなあと思います。

 寺 一九九〇年代半ばまで、都会では知らない子に声をかけるとにらまれました。学校五日制で、地域で子どもを育てる必要性が高まった。

 清 私が暮らしている東京都中央区は育児世代のつながりがあり、入っていきやすい雰囲気がありました。

 寺 新住民が多い地域には、子どもが介在することで新コミュニティーができる。「よその人と話してはいけない」という社会で育つ子は、関わる大人が親と先生しかいない。先生でも親でもない「斜めの関係」の人とのコミュニケーションが、主体性を育てるのだと思います。

 ▽趣味でつながる

 清 ぼくより上の世代の人も元気。定年までにうまくなればと始めたサルサダンスですが、「早くうまくなって楽しまないともったいない」と励まされています。

 寺 文部省(現文部科学省)で初の生涯学習担当になったのが昭和の終わり。生涯学習は平成から始まりました。そのころ、父が六十七歳で大学の学長を退職し、その途端にふ抜けになってしまった。清水さん、将棋で小さな女の子に負けそうになったじゃないですか。父も将棋の会にデビューはしたんですが、子どもに負けたら、二度と行かないと怒った。清水さんは「もっと上達しよう」と思った。

 清 二年くらいで一通りできるようになると、次のことへ向かう人が多いです。ぼくが多方面に手を出すのも、選択肢を増やし、行きたいところに行けばいいと思うからです。

 ▽定年は楽しみ

 寺 生涯学習の生涯は「いきがい」と読めます。生きがいになる楽しい習い事。「生涯学習に教師なし、生徒なし」とも言う。

 清 私は妻に背を押され地域デビューしました。奥さんに公民館に連れられてくる人もいますよ。

 寺 「定年が楽しみになる!」って本のタイトルだけど、定年は楽しみでなくちゃ。「しなくてはいけない」から解放されるのだから。自分の時間や体を自由に使うことを楽しむ心とすべさえあれば無敵です。

 清 地域デビューして四年。できることを見つけるノウハウとコツは身に付いた。

 寺 過ごし方を自分で発明すればいい。体育館や図書館など箱物は地方の方が充実している。だから、積極的に講座を提案しては。清水さんのまねは難しくても、発想の転換でできることは多いと思います。

<しみず・たかゆき> 1962年、東京都生まれ。85年、中日新聞社入社。静岡総局、東京社会部、政治部、論説委員、デスク長などをへて3月から政治部長。著書に「小沢一郎という『禁断の果実』」「『政地』巡礼」、共著に「読むための日本国憲法」。

<てらわき・けん> 1952年、福岡市生まれ。75年、文部省入省。大臣官房審議官(生涯学習政策担当)、文化庁文化部長などを歴任。2006年、文部科学省退官。07年から京都造形芸術大教授。映画評論家。著書に「国家の教育支配がすすむ」など。

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 ◇「定年が楽しみになる! オヤジの地域デビュー」1512円。四六判、228ページ。(問)東京新聞出版・社会事業部書籍担当=電03(6910)2527

 

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