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【暮らし】

マイナス金利で注目「個人向け国債」 手数料ゼロ、1年で換金可

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 マイナス金利政策で大手銀行の定期預金の金利が年に0・01%しか付かない中でも、リスクなく少しでもお金を殖やしたい−。そんな人たちに、元本割れせず、年率0・05%の最低金利が保証されている個人向け国債が注目されている。購入から一年たてば、換金もできる。専門家に利点や注意点を聞いた。 (細川暁子)

 「投資信託には元本割れのリスクがあるけれど、個人向け国債にはその心配がない。『守るお金』を安全に資産運用する一つの方法として、個人向け国債はお勧めです」。ファイナンシャルプランナーのやがら純子さんは話す。

 国が発行する国債を個人でも買いやすいようにと、一万円単位で発行されるのが個人向け国債だ。固定金利の三年満期型「固定3年」、五年満期型「固定5年」と、半年に一度、金利の見直しが行われる変動金利の「変動10年」の三種類があり、いずれも税引き前で年率0・05%の最低金利を保証。百万円分の購入で、税引き前で年に五百円しか利息が付かない計算だが、百円の定期預金よりは利率は高い。

 購入手数料も財務省が肩代わりするため支払う必要はなく、発行されてから一年経過していれば換金することができる。定期預金は中途解約すると全額を払い戻す必要があるが、個人向け国債は必要な分だけ、一万円単位で換金することができるのも利点だ。銀行や証券会社、ゆうちょ銀行などを通じて一万円以上から買うことができ、半年ごとに利子が支払われる。

 個人向け国債は二〇〇三年から発行され、当初は年四回の発行だったが、一四年から三種類とも毎月発行されるようになった。注目が集まった背景には、一六年に日銀が導入したマイナス金利政策の影響がある。大手銀行の定期預金金利は0・01%まで低下し、代わりに0・05%の最低金利が保証される個人向け国債の人気が高まった。国も個人向け国債の発行を増やし、一六年度は四・五兆円と一五年度の二・一兆円から倍増。四月募集の国債の金利は0・05%。これ以上低くなることはないため、やがらさんは「変動10年」を勧める。

 注意点は、中途換金すると直近二回の利子分は、受取金から差し引かれるため、購入一年で換金すれば、元本割れこそしないが利益はなくなってしまう。また換金後の払い戻しにも数日かかることがある点にも気を付ける必要がある。

 では、金利が高いネット銀行の定期預金の利息と比較するとどうか。やがらさんによると、ネット銀行は十年定期の商品はほとんどなく、長くて三〜五年定期。五年定期で年率0・3〜0・2%の金利が付き、百万円を預けると年に三千〜二千円の利息が付く商品もある。個人向け国債より六〜四倍も金利は高いが、百万円以上しか預け入れができなかったり、早々に中途解約すると、大手銀行の定期預金並みの低金利しか適用されなかったりするため、預け入れの際には、よく条件を確認する必要がある。

 やがらさんは「お金の預け先は一カ所に決める必要はない。個人向け国債とネット定期預金に分けるなど、お金を分散して運用するのも一つの方法です」と話す。

 

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