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【暮らし】

<おやじ塾>いま、「好かれる大人の男」の条件 気配り、清潔感、聞き上手

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 かつて、おやじたちの憩いの友だったたばこ。渋くて格好いい大人の男を演出する小道具でもあった。しかし、周囲が被る煙害などから、たばこはもはや、大人の男のアイテムとは言えず、たばこが似合う男は嫌われ者にさえなりかねない。いま、周囲に好感を持たれる大人の男、イケてるおやじとなるには、何が求められるのか−。 (添田隆典)

 「たばこ? やめられるもんならやめたいよ」。そうぼやくのは、名古屋市中区のアパレル会社社長の市野雄典(かつのり)さん(51)。ロマンスグレーの髪や、形を整えたひげは、ダンディーそのもの。「不良っぽさ」に憧れ、若いころからたばこは手放せなかった。しかし、「いまどき、かっこいいなんて評価はどこにもないでしょ。吸える場所はないし、女性からはいやーな目で見られるし」。二年前、「煙が少ない」加熱式たばこに切り替えた。

 価値観の変化は、たばこに限らない。市野さんの世代はバリバリ働いて、派手に飲んで、遊んでというのが格好いい大人の男。しかし、いまの若い世代は違う。「みんなでわいわいよりも個別に行って、サクッと飲んで帰る。さらにそういう場でさりげなく悩み事を聞ける。好かれる大人の男の条件は、そんなスマートさじゃないですか」

 スマートさ。確かに、これをポイントに挙げる女性は多い。名古屋市の歓楽街、錦三丁目にあるバーの店長上田和未さん(25)は「連れの人のお酒の減り具合を見て『もう一杯どう?』とか、『電車の時間、大丈夫?』とか、気配りできる人が魅力的ですね」。「ウイスキー片手に渋く」という飲み方はもはや受けない。「ニコニコ楽しそうに飲む人が一番、好感度が高いです。若い子の話題に『何それ、教えて?』って、聞き上手なおじさんとか、カワイイですよね」

 もう一つキーワードになりそうなのが清潔感。自動車販売のレクサス高岳(名古屋市東区)のスタッフ小倉唯さん(24)は「ダンディーでもワイルドでも合っていればいいですが、大前提として清潔感がないと。周りの目を気にしなくなると、ダメな意味でおじさんぽくなるのではないでしょうか」。市内の企業で受付係をする熊本美登里さん(50)も目が行くのは「パリッとしたシャツを着てる人」。喫煙者でも、商談相手と会う前にミントのタブレットをかむ人は爽やかさを感じるそうだ。

 たばこが廃れた今、おやじが手にするモノとは何だろうか。「皆さん、スマホですね」と話すのは、市内のタクシードライバー平野えりさん(57)。ただ、後部座席でスマホゲームに熱中している人を見ると、「いい大人なのに」とがっかりするそうだ。「大事なのは年相応の振る舞い。スマホよりも、きれいなハンカチを携帯しているとかの方が断然、好印象」ときっぱり。どうやら、積み重ねた内面がにじみ出ることが必要なようだ。

 十万部を超すヒットとなった「おじさん図鑑」の著者で、イラストレーターのなかむらるみさん(38)はおじさん像の変化をこう分析する。「今は若者も癒やしを求める時代。おじさんに対しても、がんばりすぎる姿より、本来のおおらかさが支持されるのではないでしょうか。そうした余裕も、年齢を重ねないとにじみ出てきませんからね」

     ◇

 「クール」や「ダンディー」といった他を寄せ付けないかっこよさよりも、「スマート」や「清潔」「余裕」が支持される。そこで、このコーナーも、「クール&ダンディーおやじ塾」から「おやじ塾」にプチリニューアル。

 

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