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【暮らし】

「減酒外来」記者が体験 正直に記録 「適量」を把握

「減酒外来」担当医の湯本洋介さん(左)と話す記者=神奈川県横須賀市で

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 酒の飲み過ぎは毒。知ってはいるが適量が分からず、「しまった」と思う場面も増えてきた−。そんな記者(44)が、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)に国内で初めて昨年開設された「減酒外来」に半年間通い、自分の飲酒行動に向き合った。 (鎮目宰司(しずめさいじ))

 四十歳前後から酒量が増えた。仕事帰りの電車で五百ミリリットルの缶ビールを空け、コンビニで追加購入も。夕食後はウイスキーを何杯か。合計アルコール量は百グラム近い。これをほぼ毎日繰り返していた。

 小学生の息子をナイターに連れて行ったが、球場で飲み過ぎてその後の記憶がない。さすがに不安になった昨年春ごろ。ネットで見つけた問題飲酒判定のテストは「依存症疑い」をぎりぎり下回る「危険な飲酒群」。自分の飲酒が危険な領域にあると初めて自覚した。

 そんな時、取材した医学関係の学会でアルコール依存症に対する減酒治療が話題になっていた。依存症の治療は断酒が基本だが「それだけで十分か」「依存症予備軍の人たちに、いかに早めに治療を受けてもらうか」。議論の内容が人ごととは思えず、同年七月、久里浜医療センターの減酒外来を取材で訪ねた。

 担当医の湯本洋介さんらの話を聞いて記事を書く一方、「自分もこれで変われるかも」という気持ちが芽生えた。受診を申し込み、十月にスタート。通常は、約二カ月ごと計四回の通院で「卒業」となるという。

 初回は家族構成や飲酒歴のほか「お酒とどう付き合いたいか」など大量の質問票。採血に検尿、血圧や身長、体重も測る。続いて看護師さんと面談。家族の飲酒や病歴、同居かどうかなど、立ち入った質問も多い。

 そして診察。前夜の飲み会でかなり飲んでいて緊張したが、湯本さんは患者を責める言い方はしない。「依存症の疑いはありません」「ただし、一回に飲む量は多いです」

 一般に「適切な飲酒量」はアルコール量二十グラム程度まで。五百ミリリットル缶ビール一本分だ。「毎日四十グラム飲むと体に害が出ます」と湯本さん。ほかに勧められたのは「アルコール量は多くても週二百十グラム、一日六十グラムを超えない」「酒量を記録する」などだ。

 実はスマホで昨年五月末から飲酒量を記録している。アルコール量も計算してくれる。アルコール量は月五百グラム前後に落ち着いてきた。かつては一週間で飲んでいた量。診察で湯本さんは「今のペースでいいですよ」など、良い点を見つけて助言をくれる。

 今年三月の四回目の診察で一応の区切りを迎えた。半年で十キロほど体重が減るおまけもついた。

 振り返ると、怖いのは自分につくうそ。飲酒量を少なめに記録したくなるが、うそはつかずに済んでいる。この先も減酒を続けられるのか不安はある。もっともこんな記事を書いた以上、後戻りできないのだが。

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