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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (26)プレディ 別れは突然に

イラスト・佐藤まさーき

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 地元の小学校で放課後や土曜に子どもと一緒に遊び、見守るボランティアをやっている。毎年、春になると、楽しみなことがある。初々しい新入生が入ってくることだ。そして、新二年生がちょっとだけ「おにいちゃん」「おねえちゃん」になり、成長する姿を見るのもうれしい。

 私が暮らす東京都中央区の小学校には「プレディ」という制度がある。放課後や土曜に、両親が共働きの児童などが安心して過ごせるよう、教室の一部を開放し、児童が遊んだり、宿題をしたりできるようにしている。

 専門の指導員が児童の安全管理をしているが、地域の大人もサポーター(ボランティア)として協力できる。私は時間が空いた土曜に参加していて、そろそろ四年になる。

 久しぶりにプレディを訪れた。六人の子がいた。私は四年生の男の子、二年生の男の子と女の子、一年生の男の子の四人と広い教室でドッジボールをすることになった。

 ドッジボールといっても柔らかい布製のボールで、危なくない。私が審判になり、二対二に分かれて始めると、みんな真剣だ。四年生の男の子が投げる速い球も一年生の男の子は怖がらず、逆にうれしそう。でも、ボールをなかなか取れない。すると、新二年生の女の子がボールを譲り、投げさせてあげていた。

 今度は布製の「フリスビー」を使って「ブーメラン・ドッジボール」を始めた。コントロールが難しく、思うように飛んでいかない。天井に当たったり、壁にぶつかったりする。それがおもしろく、盛りあがった。

 少しすると、飽きたのか、三人の男の子は隣の教室へ。二年生の女の子だけ残り、どうやら私に遊んでほしいみたいだ。「フリスビーする?」と聞くと、笑顔で「うん」。二人でキャッチボールをした。二人だと教室は広く、私は左右に振り回され、汗だくになりながら遊んだ。

 そのとき思い出したのが四年前、よく遊んだ一年生(当時)の女の子のことだ。プリキュアごっこ、積み木、キラキラ絵、鬼ごっこ…。おそろいの名札までつくった。

 先日、近所の公園で見かけ、声を掛けようとしたが、目が合った途端、走って行ってしまった。無邪気に遊んでいた女の子も今や五年生。こんなオジサンと知り合いなのが恥ずかしいと思う年ごろになったのだなあと思った。

 見渡すと、四年前に遊んだ子どもたちはプレディに来なくなった。みんな高学年になって自分で遊べるようになり、必要がなくなったのだ。成長がうれしい半面、少しさみしい気もした。

      ◇

 ※記者(56)が地域に溶け込もうとする奮闘記。次回は六月二日に掲載。 

 

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