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【暮らし】

<食卓ものがたり>香り優雅 舌でも楽しむ 食用バラ(名古屋市)

バラの花びらを煮詰めるパティシエの久野貴男さん=名古屋市港区で

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 工房の扉を開くと、甘い香りが広がった。ここは、名古屋市港区の菓子工房「クノタカオ キャラメル」。バラの花びらを使ったゼリー菓子を作っている。

 無農薬有機栽培バラの花びらにグラニュー糖などを加え、かき混ぜながら煮詰めていく。専用鍋の中で、赤とピンクの鮮やかな花びらが、ジャムのようにぐつぐつ煮立っていた。パティシエの久野貴男さん(42)は「ふんわりした匂いと、ちょうどいい食感を求め、試作を繰り返した」と話す。一粒一センチ角のゼリー菓子に花びらが三輪分。なんともぜいたくだ。

 無農薬有機栽培のバラ「イブピアッチェ」などを食に用いる方法は、専門店「玖島(くしま)ローズ」(名古屋市中村区)を経営する玖島悦子さん(48)が考案。「クノタカオ キャラメル」を含め市内三カ所で洋菓子などを製造している。

 きっかけは十年前、誕生日に母からもらった花束。「命いっぱいに香っていた」。生命力を感じ、感動した。生産農家を訪ねると、無農薬有機栽培であること、花は一般的に食用にしないので栽培に農薬が多く使われ、土や空気を汚染していることなどを教えてくれた。「伝えなくちゃ」。使命感に燃えた。

 それまでしていた美容関係の仕事をやめ、バラにのめりこんだ。無農薬有機栽培のバラは育てるのに一般のバラに比べ三倍の費用がかかる。それでも四十日に一回しか咲かないバラを毎週、百輪以上購入し、香料を使わず、素材の香りを生かす方法をパティシエの力も借りながら探り、半年がかりでパウンドケーキに仕立てた。

 現在はゼリー菓子のほか、ジャムやシロップなどに加工した商品を販売する。「安心して優雅な匂いを楽しめ、環境も守れる」。ゼリーを一粒口に入れると、香りが広がり、幸せな気持ちになった。

 文・写真 花井康子

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◆買う

 ゼリー菓子「ローズ ライフ バランス」1袋(30個入り)2322円、花びら200枚分を使ったシロップ「NEW香るバラのしずく」250グラム2970円、「NEW香るバラのジャム」120グラム1944円、「香るバラのお茶」5ティーバッグ756円(いずれも税込み)。7〜11日は東京メトロ南北線の六本木一丁目駅改札前で開催する「ロクイチマルシェ」にも出店。詳細はホームページで(「玖島ローズ」で検索)。問い合わせは玖島ローズ=電052(433)9070。(写真は、食用バラを使った商品)

 

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