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【暮らし】

<家族のこと話そう>対等に話してくれた父 女優・新川優愛さん

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 小学生のころ、家族は働きに出ていて夕方は一人で家にいて、ドラマの再放送やバラエティー番組をよく見ていました。体の動きや表情、声で感動を伝えたり笑いを提供したりできるのはすごいと感じたことが、芸能界を目指したきっかけでした。

 小学六年の時、父に「芸能界で仕事をしたい」と言ったら「いいんじゃない」と、あっさり許してもらえたんです。同時に「中途半端にはするなよ」とも言われました。どれだけ仕事があるのか、女優なのかタレントなのか自分が進む方向も分からない段階です。それでも「悔いがある段階でやめるようなことだけはするなよ」と言われました。

 良くも悪くも、父とは友達のような関係だったと思います。あまり私を子ども扱いせず、真剣な話のときはいつも対等に話してくれました。

 反抗期にも父とは一緒に買い物に出掛けるぐらい仲が良かったのですが、仕事が増えて実家を出てから、より親しくなったと思います。物理的な距離が遠くなったからこそ、心の距離が縮んだのでしょうか。私の中ですごく大きな存在です。

 メールも頻繁にしますし、週に一度は電話もします。「イベントの仕事でチケットがもらえるみたいだけれど、来る?」とか、「(ドラマのシーンにある)ベッドメーキングの練習で、腰が痛くなって大変」とか、近況報告が中心です。何を話しているのか聞かれても答えられないぐらい中身はないのですが、長いときは二、三時間話します。

 最近は、オンラインゲーム上でもよく会います。巨大な怪獣と戦うんですが、一人で倒せない敵がいると「ちょっと手伝って」とメッセージを送ります。すると、助太刀してくれてものの数分で倒してしまいます。父の方がやり込んでいて強いんです。

 私が操るキャラクターが倒されると「ドンマイ」って送られてきます。でも、こちらは必死だからメッセージを返す余裕なんてありません。私の状況をチェックしているようで「最近、ゲームをしていないから忙しいでしょ?」とメールが来ることもあります。普段からゆとりを感じさせられることが多いですが、ゲームでも余裕を感じさせられると、あらためてすごいなと思います。

 大きな仕事が決まって不安になったとき「そんな器じゃないかも」と話すと、父は「やるしかないんじゃない?」と言います。「がんばれ」とは言わないんです。あえてそうしているのかは分かりませんが、それも私のことを理解して見守ってくれているように思えて、救われています。

 聞き手・稲田雅文/写真・北村彰

<しんかわ・ゆあ> 1993年、埼玉県生まれ。映画や舞台、バラエティー番組などに出演。2011年「ミスセブンティーン」に選ばれ、専属モデルに。現在はファッション誌「non−no」の専属モデルや歌手としても活動。写真集「Atlas」を3月に発売。東海テレビ制作の「いつまでも白い羽根」(毎週土曜深夜、フジテレビ系)で主演を務める。

 

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