東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

IT時代「立ち作業」いいね! 高さ調節できる机 腰痛↓ 効率↑

高さを変えられる机で立ったまま仕事をするマニュライフ生命の社員ら=東京都新宿区で

写真

 デスクワークは座ってする仕事−。こんな「常識」に異を唱えるように、立ったまま働いてもOKというオフィスが出てきた。高さを変えられる机をそろえ、気分によって、立ったり、座ったり。立ち作業が基本になった社員もいる。健康面や作業効率にもよい影響がでている。 (寺本康弘)

 東京都新宿区にあるビルの三十階。マニュライフ生命保険の本社に入ると、フロアのあちこちで立ちながらキーボードを打つ人の姿を見かけた。

 保険料の設定などをする商品数理部の福田佑介さん(40)は胸下あたりの高さに天板を動かした机で作業をしていた。「肩凝りや腰痛になりにくくて良いですよ」と紹介する。

 同社が高さを変えられる机を導入したのは二〇一五年春。福田さんは当初、「無駄な機能」と感じて使わなかった。しかし面白がって使う同僚につられ、試してみた。

 使い始めは短時間でも脚が疲れ、座っていた。ただ慣れてくると、腰痛が出にくくなることもあり、立ち作業が基本になった。最近は一日八時間のうち座るのは三時間程度に減った。

 意外だったのは、コミュニケーションにも役立つこと。一つのパソコンを三、四人で座って見ると、いすがぶつかり合うなどして見づらい。「立ったままならストレスも少なく、話し合いがスムーズにできる」

 机の高さ調整も簡単。わきにある上下ボタンを押すだけで、天板の高さが自動で動く。音の大きさも空調程度なので気にならない。

 同社によると、導入した可変式の机は約千三百台。同社執行役員で人事部長の前田広子さんは「通常の机の三倍の費用がかかった。でも中長期で見れば、導入するメリットは十分にある」と話す。

 前田さんによると、立って作業をしていると声を掛け合いやすく、意見が活発化する上に、打ち合わせも短時間で終わる傾向があるという。座っているより腰痛になりづらく感じる人も多い。前田さんも終日、立って仕事をしている。

 「フレックスタイム制や在宅勤務など働きやすい環境を整える一環として机も導入したら、残業時間も減っている」と導入効果を実感している。

◇立ち作業のメリット 

・声を掛けやすく、コミュニケーションが増える

・立ったままの打ち合わせは短時間ですむ

・腰の疲労が少なくなる

・リフレッシュして作業効率上昇

※マニュライフ生命保険への取材による

◆「足は第2の心臓、動かして」

 東京都渋谷区の大原記念労働科学研究所は、一時間の作業を座りっぱなしでした場合と、二十分ほど立ち作業を加えた場合、立ちっぱなしの作業をした場合とで、体にどんな影響が出るかを尋ねる実験を行った。

 結果からは、三パターンのうち立ち作業を加えた場合が、腰の疲れや足のむくみが少ないと訴える人が多かった。また眠気も感じにくかったという。同研究所の上級主任研究員の鈴木一弥さんは「姿勢を変えることによるリフレッシュ効果があったため」と分析する。

 鈴木さんは「IT化が進み、座って作業する時間は長くなっている。足は第二の心臓と呼ばれるように重要。血液を循環させるには足を動かすことが必要なので、座りっぱなしはよくない。短時間でも姿勢を変えることが大切」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報