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【暮らし】

<子どもの身を守る>(上)不審者の声掛け 良心につけ込む悪質手口

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 子どもが見知らぬ人に声を掛けられた、つきまとわれた…。そんな事案が最近、自宅近くで発生し、不安を感じているという人もいるだろう。今月は新潟市で小学二年の女児が下校中に連れ去られ、殺害される事件も起きた。子どもの身を守るためには、どんなことに気を付ければいいのか。まずは近寄ってくる手口を知り、日頃から親子で話し合っておきたい。(河郷丈史)

 不審者事案で最も目立つのが、子どもへの声掛けだ。「おやつをあげる」「遊園地に連れて行ってあげる」といった昔からの手口なら、子どもも「ついて行ってはいけない」と判断しやすいものの、最近は声の掛け方が巧妙化している。

 「おなかが痛いから病院に連れて行って」「なくした財布を一緒に捜してほしい」などと困っているふりをして、子どもの良心につけ込む手口がある。中には「おじさんはお母さんの友達だが、お母さんが事故に遭った」などと子どもをパニックにさせて、「早く病院に行かないと死んでしまうよ」とせき立てる事案もある。

 こうした悪質な声掛けに、どう対処したらよいか。子どもの安全に関する研究に取り組むセコムIS研究所(東京都三鷹市)主務研究員の舟生(ふにゅう)岳夫さん(49)は「『おいで』『行こう』などと誘うような声掛けには気を付けて」と呼び掛ける。例えば、道に迷ったという場合、「行き方を教えて」ではなく「一緒に来て」などと言われたら、応じてはいけない。もちろん、どのように誘われても車には乗ってはいけない。

 「おやつをあげる」のように関心を引く手口はいまもある。ただ、「かわいい子犬が生まれたけど、見に来ない?」や「すごいゲームがあるよ」と、より具体的に興味を引くように誘いかけてくる。女の子に「雑誌のモデルにならない?」と声を掛けることもある。

 持ち物への配慮も必要だ。傘などに目立つように名前が書いてあると、不審者が名前を呼んで声を掛けてくるかもしれない。名前を呼ばれると、子どもは「知っている人かも」と思ってしまい、リスクが高まりかねない。キャラクターグッズを身に着けているのも、不審者に何が好きなのかという情報を与えてしまう。

 子どもの意識を高めるには、例えば近所で不審者が出没したら、「あそこは人通りが少ないよね」などと話し合う。子どもが犯罪に巻き込まれたニュースを話題にする。そうしたやりとりの蓄積で、子どもの危険を避けようとする力が養われていくという。

 「あそこの道は暗くて怖い」など、子どもが不安や危険を訴えたら、「よく気が付いたね」とほめてあげるといい。「子どもが『変だな』『怖いな』と思う感覚はとても大事。親はしっかりと向き合ってほしい」と舟生さんは言う。

 ※6月1日の(下)では、子どもにできるもしものときの護身術を紹介します。

◆多いのは?15〜17時台・路上・1人だけ

 千葉県警は十三歳未満の子どもに声を掛けたり、つきまとったりした昨年の県内の不審者情報約千二百件を分析した。

 その結果、下校中や帰宅後に遊びに出掛ける時間帯に当たる午後三〜五時台に六割が発生していた。

 場所は路上が七割で、公園内、団地やマンションの敷地内も多い。行為別では「声掛け」が四割と最も多く「つきまとい」「露出」が続いた。子どもの性別は女子が七割。一人でいるときの被害が七割だった。

 また、愛知県警が二〇一六年、子どもへの声掛けなどで取り調べた人物に聞き取ったところ、「子どもにどのくらい逃げられたらあきらめるか」では「すぐあきらめる」が七割、「十メートル以内」が二割だった。犯行前の下見は九割が「しない」と答えた。

 

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