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【暮らし】

悪質求人情報 見破ろう 隠された「ブラック条件」 

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 来春入社予定の就職活動も佳境を迎え、若干焦りを感じている人もいるかもしれない。しかし、実際とかけ離れた好条件を募集要項などに掲載する企業もあり、入社後に後悔しないためには求人情報を慎重に見極めることが大切だ。悪質な求人を見分けるには、どこに着目したらよいだろうか。(添田隆典)

 仕事内容もさることながら、募集要項や求人広告を見るときに目がいくのが給与(初任給)の欄。だからこそ、「給与を水増しした手口はよく見られる」と、若者の労働相談に応じるNPO法人POSSE(ポッセ、東京都世田谷区)代表の今野晴貴さんは言う。

 例えば、表中の<1>は一見、初任給二十万円のように思える。しかし、注意書きに要注意。二十万円には、月三十時間分の残業代が含まれている。これは「固定残業代」や「みなし残業代」といわれ、残業の実態にかかわらず一定分の時間外手当を定額で支払うというもの。給与に組み入れて記載し、高額に見せている。

 この求人では、基本給と固定残業代の額、残業が三十時間を超えた場合に割増賃金が支給されるかの三点が不明。どれだけ残業してもその賃金は一定額にとどめられる可能性が高い。

 一月に施行された改正職業安定法は、固定残業代を導入する企業に基本給と固定残業代の額を明示し、この例でいう三十時間を超えた残業に対する割増賃金を支払うことを明確にするよう義務づけた。今野さんは「それ以降、固定残業代が曖昧な求人は減った」とみる。ただ、「業務手当込み」や「営業手当込み」などと言い換えた求人は依然あるという。

 勤務時間や休暇・休日が不明な求人も要警戒だ。販売職などで見られるのが、<2>のような記載。店舗が開いている時間は分かっても、従業員が一日何時間働くか分からない。

 採用する企業が多い「試用期間」にも注意したい。期間中も雇用形態は正社員というのが原則。契約社員などの有期雇用とする場合は、その旨を募集要項などに明記しなければならない。しかし、「最終面接の段階になって、試用期間中は契約社員だと言う企業もある」と、若者の労働問題に詳しい法政大キャリアデザイン学部(東京都千代田区)の上西充子教授は言う。<3>のように試用期間中の雇用形態が記載されていなかったら、募集要項のコピーを取っておき、採用試験の途中などで条件が変わらないか注意が必要だ。

 他にも、所定の労働時間分の給与があらかじめ決まっている「年俸制」や、本来なら経験年数を積んだ社員に適用される「裁量労働制」が新入社員にも適用されている場合も、きちんと残業代を支払わないための口実に使われる恐れがあるという。

 職安法は、求人を出す企業に仕事内容や賃金、労働時間の明示を義務付けている。厚生労働省によると、求人情報と実態が違うとしてハローワークに寄せられた苦情や相談は二〇一四年度で約一万二千件。最近は減少傾向にはあるが、一六年度も約九千三百件ある。

 今野さんが共同代表を務める「ブラック企業対策プロジェクト」では「企業の募集要項、見ていますか?」と題した冊子をホームページで公開。悪質な求人の見分け方を解説している。

 

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