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【暮らし】

<子どもの身を守る>(下)護身術 とっさの時、逃げるすべを

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 子どもの安全を守るため、五月二十五日の(上)では巧妙化する声掛けの手口を紹介した。しかし、声を掛けてくるのではなく、いきなり腕をつかまれたり、後ろから抱きつかれたりするケースもあり得る。そんなときはどうしたらよいだろうか。小学生に護身術を教える特別授業に参加し、対処の仕方を教えてもらった。 (河郷丈史)

 訪れたのは、五月中旬に愛知県小牧市の小学校で開かれた特別授業。不審者やいじめへの対処法などを教えているNPO「セルフディフェンスコミュニケーション開発」(名古屋市中村区)のメンバーたちが「手をつかまれたら?」「口をふさがれたら?」など、さまざまなケースごとの護身術を実演し、子どもたちが練習した。

 同団体は、十五年前から各地の小中学校などで護身術を教えている。代表の青嶋宮央さん(54)は「子どもを狙う不審者は、あまり特定の子に執着しない。とっさに抵抗されると、リスクを負わずにあきらめることが多い」と話す。

 護身術というと、相手の力をいなしたり、逆手に取ったりするイメージがあるが、難しいことはとっさのときには実践しづらい。同団体が重視するのは、襲ってくる相手の弱点を突いて一瞬ひるませ、逃げる隙をつくることだ。

 まずは、腕をつかまれた場合。つかまれた腕を引っ張っても、なかなか太刀打ちできない。そんなときは、まず両手をしっかりと組み、そのまま弧を描くように早く大きく回すと振りほどきやすい。

 いきなり口をふさがれることもある。そんなときは、相手の手首や手の甲よりも指一本をつかんだ方がはがしやすい。特に小指なら、相手は力を入れにくいし痛みを与えることができる。首をつかまれた場合も、腕ではなく指一本をつかんだ方がよい。力いっぱい腕をつねるのも有効だ。できればひじのあたりより二の腕の内側で脇に近いあたりがよい。

 背後から抱え込まれた場合、暴れるとバランスを崩して押し倒され、組み敷かれる危険がある。立ったまま、相手のすねに自分のかかとを当て、こすり付けるようにして一気に下ろすと、痛みを与えて隙をつくりやすい。

 抱きかかえられて車に乗せられそうになったら、とにかく手足を振り回そう。ドアの周りに手足が引っ掛かって時間をかせげれば、その間にだれかが通りかかるかもしれないし、犯人にもそう思わせることができれば、犯行をあきらめるかもしれない。単純ながらかみついたり、引っかいたりするのもダメージを与えられる。

 とっさの時にこうした対処をするのは難しいが、親子で繰り返しやってみて、子どもが思い出せるようにしておくことが大切だ。青嶋さんは「護身術は戦うためではなく、隙をつくって逃げるための技。逃げたらすぐに、スーパーやコンビニ、ガソリンスタンド、喫茶店などに逃げ込んで」と呼び掛ける。

 

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