東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (27)交流サイト 使い方次第でおいしい輪

イラスト・佐藤まさーき

写真

 地域デビューとインターネット−。縁遠いように思えるが、会員制交流サイト(SNS)を使って地域のイベントやサークルを見つけることもできる。地元で開かれた食事会と料理会に参加した。

 私が利用しているSNSは「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」。中高年を対象にしたサイトで、カラオケや旅行、ハイキング、社交ダンスなど趣味のサークル(コミュニティー、略称コミュ)がたくさんあり、コミュに入会すれば、そのイベントや活動に参加できる。

 もちろん地域限定ではないが、どんなグループがどこで活動しているか分かるので、近所のコミュを見つけて申し込めば地域デビューになる。

 実は、私が入っているラテンダンスのサークル「大江戸サルサ」もコミュの一つ。私は近所の公民館でのサークル体験会で入会したが、SNSで入ったメンバーも多い。最近、大江戸サルサの姉妹コミュ「Nice Time(ナイスタイム)」に入った。街歩きやグルメ会、登山、ダンスパーティーなど幅広いイベントをしている。食べるのが好きな私はまず「築地ですしを食べる会」に参加してみた。すし店の二階の個室に、SNSでこの会を知った十人が集まり、ランチを楽しんだ。

 大半が初対面の年上の方だったが、予想以上に会話が弾み、定年後の過ごし方の参考になる話をたくさん聞いた。

 ある男性は「自分の趣味は飛行機に乗ること。格安チケットの情報を集めて、先日も台湾に日帰りで行ってきました」と、ユニークな趣味を教えてくれた。八十代の男性は「人生のいつが青春だったらいいかと聞かれれば最後がいい。今が青春だ」。定年後があらためて楽しみになった。

 数日後、今度は「海鮮たっぷりペスカトーレ&デザートはイチゴパフェ・プリンアラモード」に参加した。会場は築地社会教育会館(東京都中央区)で、十五人が参加した。みんなで料理を作る会だ。

 エビをさばいて、頭でパスタソースのだしを取る本格派。私は女性二人とデザートを担当した。マンゴーを切ってパフェにのせるが、皮の裏側や種の周りに残った果肉も無駄にできない。私はそれをそぎ落とす係になった。

 「高いんだから残しちゃダメよ」。先輩の女性メンバーに脅されながら、包丁の背で真剣にそいだ。すると、「終わった皮と種はしゃぶっていいから。おいしいよ」。役得のご褒美をもらった。

 できあがったペスカトーレもパフェも格別。おいしすぎて、食事中はみんな無言だ。ティータイムになって「頑張ったよね」「サルサより料理の方が合ってるんじゃない」と盛り上がった。無機質なイメージのSNSも、使い方によっては地域で仲間の輪を広げられる。

 ※記者(56)が地域に溶け込もうとする奮闘記。次回は七月七日に掲載。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】