東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

<Life around the World>最高のウエディング

 6月はジューンブライド。この月に結婚すると幸せになる、と伝わる。人生の一大イベントである結婚式。料理や衣装、演出などを華美にする派手婚、その逆に少人数でこぢんまりと行う地味婚など、それぞれの味わいがある。世界のカップルは喜びの儀式をどう演出しているのだろう。

音楽や自然を満喫でき、家族や友人と多くの時を過ごせる屋外結婚式(ウェディング・フェスティバル・カンパニー提供)

写真

◆英国 出席者はキャンプ泊

 教会で式を挙げ、ホテルやレストランでパーティーをするのが一般的な英国で、田舎の農場でキャンプをしながら自然と音楽を満喫するフェスティバル・ウエディング(屋外結婚式)が注目されている。

 英南部ポーツマスにあるウェディング・フェスティバル・カンパニーのサラ・ジェーン・ウィリアムズ社長(43)が屋外結婚式の第一人者。自身の屋外結婚式を計画、準備、実施した経験を基に、金融街シティーのやり手コンサルタントの職を捨て、夫のサイモンさん(50)を巻き込み、二〇一五年、同社を立ち上げた。

 「普通とは違う式を求めるカップルがうちに来る」とサラさん。屋外結婚式では、金曜の夜にゲストが集合。シェフの料理を食べて、離れて暮らす親族や友人らと旧交を温め、敷地内のキャンプで就寝。土曜日、みなで朝食を食べ、いよいよ本番。

 干し草のベンチに座ったゲストの前で、新郎新婦は愛を誓い、大テントでシャンパンやカナッペを食し、昼間はアコースティック音楽を、夜は本格的なバンドのライブを楽しむ。日曜は、芝生の上でクリケットなどのスポーツで体を動かして解散する。

 会場は農家などから借りた休耕地。シャワーや水洗トイレも用意される。サラさんは「英国の式の平均費用は、たったの一日で二万五千ポンド(約三百七十八万円)。三日間、家族や友人と多くの時間を過ごせる、私たちの式は平均三万ポンド(約四百五十三万円)」と胸を張る。

 式のピークは七〜八月で、今年は約三十組が予定される。来年は英国の「超有名セレブ」(サラさん)の式の予約も入っており、英国の美しい田舎町での屋外結婚式は、ますます人気が出そうだ。 (ロンドン・沢田千秋)

上海の観光名所、外灘で記念撮影する王力君さん(中)と陳媛媛さん

写真

◆中国 スター気分でポーズ

 中国・上海随一の観光スポット、外灘(バンド)。川向こうの壮観な高層ビル群を背景にスーツ姿の新郎、王力君(おうりきくん)さん(27)とウエディングドレス姿の新婦、陳媛媛(ちんえんえん)さん(25)が記念写真に納まっていた。まるで芸能人の撮影のようだ。すっかりスター気分の媛媛さんは「すごくうれしい。でもちょっと疲れた」と言いながらも、喜びいっぱいの表情を絶やさない。

 中国人カップルの間では近年、国内だけでなくバリ島や北海道など海外にも出掛け、記念写真を撮るのが大はやり。結婚写真を専門に手掛ける写真館「Princess」によると、プランは九千元(約十五万三千円)から十四万元(約二百四十万円)まである。

 年平均千二百万組が結婚する中国では、富裕層をターゲットにした結婚ビジネスが急速に伸びる。二〇一六年の市場規模は八千六百億元(約十四兆六千億円)で、日本の六倍に達する。

 外灘の目の前にある結婚式場「華盛婚礼会館」は四年前に開業した。屋上で風景を楽しみながら挙式ができる趣向が人気だ。出席者百五十人の披露宴で十二万元(約二百五万円)が平均的な価格だが、二十万元(約三百四十万円)を超すプランもある。

 「金持ちは個性的な結婚式を求める。一〜一年半先まで予約が埋まっている」と営業担当の李さんはホクホク顔。参入業者が多すぎて市場が飽和状態にあり、倒産や合併も多いという。

 それにしても一年以上前に予約すれば、結婚式までに別れてしまうカップルもいるのでは?

 「もちろんいますよ。挙式の直前にドタキャンする人もいれば、契約した翌日にいきなりキャンセルする人もいる。百組のうち四、五組はゴールインできませんね」 (上海・浅井正智、写真も)

プーケット島の波打ち際で見つめ合うシャヤダーさん(右)たち(アヌラックさん提供)

写真

◆タイ 婚前撮影 はじける愛

 澄んだ空の下、波打ち際で手をつなぎ、二人が見つめ合う。写真から未来への希望があふれてくる。

 タイの首都バンコクに住むシャヤダー・ショーティモンコンさん(28)は、世界的なリゾート地の南部プーケット島に足を運び「プレウエディング・フォト」を撮影した。「『思い出の写真は美しい砂浜で』と二人で決めたの」と明かす。

 タイでプレウエディング・フォトは婚約したカップルの定番行事だ。カメラマンのアヌラック・プラサミーアモンウィワットさん(29)は、要望に応じた写真を提供するよう努めている。

 撮影には六〜八時間かける。料金は衣装代を除いて約二万バーツ(約七万円)。所得水準からすると安くないが、中・上流層を中心に出費を惜しまない。

 ウサー・ラートナワコーンさん(29)は純白のウエディングドレスに身を包み、スーツで決めたスパワット・ナワパックピライさん(28)と、タイ国鉄の「フアランポーン駅」(バンコク中央駅)のホームに立った。二人は大学の同窓生。一緒に過ごす時間の多くは学校の帰り道だった。駅は懐かしい歩みを象徴する。写真は結婚パーティーで披露し、家に飾りたいという。

 アヌラックさんは、タイで凝ったプレウエディング・フォトが定着した背景に、自然から寺院など建築物まで、撮影スポットの豊かさを挙げる。会員制交流サイト(SNS)の普及もひと役かっていて、写真をインスタグラムなどに投稿するカップルも多い。

 当のアヌラックさんも彼女との写真を撮った。場所は意外にも山梨県。桜が鮮やかな河口湖畔だ。「海外でプレウエディング・フォトを撮るなら、多くのタイ人が日本を選ぶでしょう。桜や紅葉はとても有名ですよ」と常夏の国の写真家は教えてくれた。(バンコク・北川成史)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報