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【暮らし】

<定年退職後の手続きは?>(上)社会保険 正確な情報集め判断を

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 六十歳以降に長年勤めた会社を定年などで退職する人は、社会保険や税金の手続きを自分で進めねばならなくなる。会社勤めの間は、社会保険料や税金が給料から天引きされるなど、手続きのことをあまり考えずにすんでいたが、手間は一気に増えることに。そのときになってあわてずにすむよう、退職後の手続きのポイントを社会保険、税金の二回に分けて説明する。 (白井康彦)

◆健康保険 三つの選択肢を退職前から検討

 「退職後すぐに手続きが必要なのは健康保険。主な選択肢が三つあって、どれを選ぶか退職前から考えねばなりません」。名古屋市の社会保険労務士、高木隆司さんは注意喚起する。

 健康保険の適用事業所に再就職する場合は、その事業所の健康保険に加入できるが、それ以外は対応が必要になる。健康保険未加入だと、病気になったとき医療費を全額負担せねばならないからだ。

 第一の選択肢は勤めていた会社の健康保険への任意継続。二年間だけ認められている制度だ。在職時は保険料を会社が半額負担してくれていたが、それがなくなるため、保険料は原則、退職前の二倍になるが、上限もある。

 第二は、国民健康保険への加入。国保の保険料は、住んでいる自治体、世帯人数、前年の所得などによってまちまち。任意継続と国保加入のどちらが保険料が安いかは、一概には言えない。任意継続したときの保険料を勤めていた会社で確認し、自治体の国保担当窓口で国保料を試算してもらって比較するといい。

 第三は、健康保険に入っている家族の被扶養者になる方法。保険料の負担はなくなるが、本人の年収などの要件が厳しく、対象者はそれほど多くない。

◆雇用保険 仕事を探す場合、失業給付の対象

 次いで重要なのは雇用保険。多くの退職者が基本手当(失業給付)を受給できるからだ。意外に感じる人も多いが、定年後などの退職後でも仕事を探していれば、失業給付の対象になる。手続きはハローワークで行う。基本手当の給付日数は雇用保険の加入期間に応じて決まり、原則として最大で百五十日。給付日額は離職前六カ月間の給与水準で設定され、上限は七千四十二円。

 退職するのが六十五歳以降の場合、基本手当に代わって高年齢求職者給付金という一時金が受給できる。

◆年金 開始時期を考え受給の際に申請

 公的年金の加入手続きについては、当面あまり考えなくてもいい定年退職者が多い。加入義務があるのは、二十歳以上六十歳未満の人だからだ。厚生年金の適用事業所に再就職すれば、厚生年金に再加入して、保険料は給料から天引きされる。

 老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給する際は申請が必要。受給開始時期を早める繰り上げ受給、遅くする繰り下げ受給の制度を使うかどうかも自分で検討せねばならない。

 定年退職するのが夫、妻が専業主婦で六十歳未満というケースは注意が必要。妻は、夫の定年退職で扶養から外れ、納めずにすんでいた国民年金保険料を納めねばならなくなる。

 過去に国民年金保険料の未納期間がある人は、申し込みをすれば、国民年金に加入して保険料を納付する任意加入制度が使える。ただし、六十五歳以降は、この制度は使えない。

 高木さんは、定年などによる退職後の社会保険の手続きの全般的な注意点として「知り合いなどに聞いた情報を頼りにして考える人が多いが、情報をうのみにせず、国民健康保険については市区町村、雇用保険についてはハローワーク、公的年金については年金事務所にしっかり問い合わせて判断してください」とアドバイスする。

 ※次回は二十八日

 

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