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【暮らし】

制服リユース 中古購入、賢く節約

夏服のスカートを試着した中学生(右)に、上着をあてる塚本敬子さん

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 成長期を迎えた子どもがいる家庭では、学校の制服の買い替えに出費がかさみがち。そんなときにありがたいのが、中古の制服を取り扱うお店だ。少子化などでお下がりが期待しにくい中、こうしたお店が全国で増えつつある。  

  (出口有紀)

 「丈はちょうどいいけど、ウエストが…」「成長期だからね」。毎週日曜日に名古屋市港区の喫茶店を借りて開店する学生服リユースショップ「さくらや名古屋店」で、同市南区のパート女性(45)と中学三年の長女(14)が、夏服のスカートを試着して選んでいた。

 長女は入学時より身長が十七センチ伸び、夏服のスカートが小さくなった。三年生なので夏服を着るのは今年の夏だけだが、新品を買うと一万五千円。「三カ月しかはかないのに、新品はもったいない」(母親)と、欲しいスカートの在庫があるのを電話で確認してから店を訪れた。

 新品同様、きれいにプリーツが付いているが、値段は新品の二割強の三千五百十円。母親は「来年、中学生になる弟もいる。もっと早く成長するだろうから、安く買えるのは助かる」と話す。

 中古という点が引っかかるという人もいるが、長女は「普段着を古着屋で買うこともあるので、抵抗はありません」とほほ笑む。店を運営する塚本敬子さん(39)=愛知県愛西市=も「親世代には『中古ではかわいそう』と思う人もいますが、若い人たちはそうでもないようです」と話す。

 不要になった制服を売りに来る人もいる。愛知県東浦町から来店した今春、就職した娘(19)と父親(49)は、娘が高校で着ていたブレザーやベストなど十一点を売った。父親は「使ってくれる人がいるなら売りたい。ネットの売り買いとは違い、お互いに顔が見える対面なら安心」と話す。買い取り金額は二千三百円ほどになり「帰りに食事に行きたい」と笑顔を浮かべた。

 塚本さんが店を始めたのは昨年七月。全国チェーンのさくらや(本部・高松市)に加盟し、父親が営む喫茶店が休業日の日曜日に、店を借りて営業する。出張買い取りもしている。三、四月は月十〜二十点を販売、三百〜四百点を買い取った。

 制服や体操服はしみや保存状態などを査定して買い取る。必要に応じてクリーニングして、汚れを落とし、ネームの刺しゅうなどを取り除き、新品の四〜七割引きで販売する。ただ、制服は学校ごとに仕様が異なるため、在庫がないこともある。

 リユース品に注目が集まるのは、制服が値上がり傾向にあることも一因だ。公正取引委員会が昨年十一月に公表した調査では、制服の販売価格は男女とも過去十年間で五千円ほど上昇。二〇一六年の平均販売価格は男女とも三万三千円程度。各学校がメーカーや取扱店を指定したりすることなどから、事実上、競争がなく高値で推移しやすいとの指摘もある。

 さくらやは、直営店と加盟店計三十八店舗が全国にある。創業した馬場加奈子さん(46)は、自身も子ども三人を育て、制服の買い替えで悩んだ経験がある。「会社勤めをしていると、地域のママ友と知り合える機会もなく、お古を譲ってもらえるあてはなかった」

 店を構えてから不登校やDVなどの問題がある家庭を、行政や学校、社会福祉協議会などにつなぐ活動もしている。「制服を着ないと学校には行けないので、困り事がある親子も来店する。それを支援のきっかけにしていきたい」と話す。

 関東の加盟店は茨城、埼玉、東京、神奈川の一都三県に八店舗ある。連絡先はホームページ(「学生服リユース さくらや」で検索)へ。

 

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