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【暮らし】

外さないで水災補償 豪雨頻発、火災保険チェックを

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 甚大な被害をもたらした西日本の豪雨。近年、台風や長雨による大規模な土砂災害や、河川の氾濫による浸水害が頻発している。こうした災害への備えの一つが火災保険。火災だけでなく、水災も補償の対象に含めることが可能だ。火災保険をどう活用すればいいのか、注意点や選び方について考えた。 (砂本紅年)

 「また豪雨がきたら、家はどうなるんか」。西日本豪雨が襲った広島市安佐北区の男性(71)は思った。

 男性が住む地区では、土砂崩れで死者が出た。男性宅は被害を免れたが、県のハザードマップでは土石流の警戒区域内にある。今回の豪雨で、裏山から大きな岩を含む土砂が谷筋を下り、家の隣の貯水池を覆った。約三十年前に家を建てた時に火災保険に加入したが、水災は対象外で、土砂崩れで被災しても補償は受けられない。「契約見直さんと…」。男性がつぶやいた。

 ファイナンシャルプランナーの平野敦之さん(51)によると、一昔前の火災保険には水災補償がついていないケースがある。ただ「ここ十数年以内に加入したなら、水災補償は自分から外さない限り、基本的についていることが多い」という。

 補償範囲となる水災には洪水をはじめ、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石も含まれる。内閣府によると、持ち家世帯のうち、66%が水災補償を含む保険に加入している。

 まず、自宅で加入している火災保険に水災補償が含まれているか確認しよう。含まれていない場合、自宅の立地から補償が必要か判断する必要がある。「河川の近くでなくても、裏に山や崖があれば水災補償は外してはいけない。突然の水量増加で下水などがあふれる都市型水害も考えて」と平野さん。

 参考になるのは、自治体が作ったハザードマップ。損保ジャパン日本興亜が七月にまとめた調査では、回答した千三十七人のうち「見たことがない」「見たことがあるが、自宅付近のリスクは確認していない」が72・3%に上り、認知度は高いとはいえないが、自宅の危険度や避難ルートを知ることが備えの第一歩となる。マップは国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認できる。

 どんな被害でも保険金が支払われるわけではない。一般的な水災補償の支払い要件は、▽建物の再築、家財の再取得に必要な金額の30%以上の損害が生じた場合▽床上浸水▽地盤面から四十五センチを超える浸水で損害が生じた場合−などで、床下浸水は補償の対象外。

 自然災害の増加で、火災保険の保険料は近年、上昇傾向。今後も値上げが予想される。保険料を安く抑えるのか、補償内容を充実させるのか。自宅が被害を受けるリスクを考慮しながら、見極めることが必要だ。

◆修理業者の勧誘 契約前に相談して

 地震や水害など大きな災害の後、住宅の修理などを巡り業者とトラブルになることは多い。混乱に乗じて高額な請求をするケースも見られ、特に高齢者が狙われる。

 典型的な相談例では、自宅を訪れた業者が「自己負担はゼロ」「無料で診断」「火災保険の請求を代行する」などと持ち掛け、建物の修理を行うケース。後の保険鑑定で、災害による破損ではなく劣化と判断され、保険支払いの対象外として業者から代金を全額請求されることもある。

 国民生活センターによると、二〇一七年度の同種の相談件数は千百七十六件。一〇年度の十倍以上に。本年度は前年度より速いペースで増えているという。業者の勧誘があった場合は、契約前に必ず加入する火災保険の代理店に相談したい。

 

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