東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

「昭和の発想」脱却を 自分にも職場にもプラス 夏休み取得に罪悪感は要らない!

写真

 お盆が近づき、そろそろ夏休みという人も多いだろう。ただ、いつ休みを取るのかを各自が決める職場では、周囲に遠慮したり、仕事が気になったりして、いつになっても決められないという人もいるもの。かくいう記者(36)も、実は決められない一人。気兼ねなく休みを取るにはどうすればいいか。専門家に指南してもらった。 (添田隆典)

 「休暇を取ることに罪悪感を覚えるのは、昭和の発想を引きずっているからです」。職場のメンタルヘルスに詳しい東京都の帝京平成大現代ライフ学部教授の渡部卓さん(61)に聞くと、こうきっぱり指摘された。

 言われてみれば、そうかもしれない。職場では、自分で休む期間を決め、周囲と調整して「好きに取っていい」と言われている。多くの同僚は一週間程度の休みを取る。しかし、記者は過去二年、夏休みを取り損ねてきた。

 顧みると、「仕事が一段落したら」と思っているうちに秋になり、冬になる。「この取材を終えてから」「計画した取材は一段落したけれど、こっちも取材した方がいいかな」。そんなことを考えるうちに「これもやらないと、サボっていると思われるかな」…。われながら、この発想は時代錯誤に思えてくる。

 渡部さんによると、昭和の企業風土なら休み返上で働くことが社内評価アップにつながった。しかし、現代では「きちんと休みを取り、職場では得がたい経験をしてくる人の方が、仕事にもプラスになると、評価されるようになってきている」と言う。

 頭では分かってきたが、それでも「休む=悪」という感覚がぬぐえない人はどうしたらよいか。「レジャーに出掛けるなら心身のリフレッシュ、語学などの勉強をして過ごすなら自己研さん、あるいは趣味のためなど、目的をはっきりさせる」と渡部さん。予定を立てず「『家でごろごろ』と考えると、休みを先延ばしにしがち」だという。確かに、過去二年、夏休み中に何かをしようと計画したことはなかった。

 さらに、休む時期を決めたら早めに周囲に宣言しよう。「休暇を先送りにする悪癖を絶てるし、そこから逆算して仕事を片付けるようになる」。渡部さんは、休みを取るもう一つの効果を指摘する。「繁忙期でなければ、他の人に頼めない仕事はそう多くないはず。同僚とカバーし合うことで、部署全体の仕事を把握しやすくなります」

◆「年休消化」では取りづらさ

 調査会社「マクロミル」(東京都)が、全国の二十〜五十九歳の会社員千人を対象に、今年の夏休みの取得予定日数を尋ねたアンケートでは、平均は土日を含めて六・二連休だった。一方、「夏休みはない」「取得しない」とした人も18%いた。

 そもそも、企業は夏休みを取らせなくてはいけないのか。労働問題に詳しい弁護士の加藤耕輔さん(愛知県)は「夏季休暇は企業の裁量に委ねられている」と言う。労働基準法などに特段の定めはなく、就業規則に盛り込んで、製造ラインを止めるなどし全社一斉に休みとしたり、社員が時期を調整し合って年次有給休暇(年休)として取ったりと、社によってまちまちだ。

 ただ、日本の年休消化率は低水準だ。旅行サイト「エクスペディア」が昨年実施した年休の国際比較調査によると、日本の年休消化率は50%で調査した三十カ国中最下位。年休取得について「罪悪感がある」と回答した割合も63%で最多だった。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報