東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (29)おもてなし ボランティア講座

イラスト・佐藤まさーき

写真

 東京五輪・パラリンピックまであと二年。自宅近くの東京・晴海地区で選手村の建設が進む。銀座や築地が近いこともあり、最近、近所でも外国人観光客をよく見かける。何かお手伝いできないか。「外国人おもてなし語学ボランティア育成講座」に参加した。

 街で困っている外国人を見かけたときなどに簡単な外国語で積極的に声をかけ、道案内などの手助けをするボランティアだ。東京都が五輪・パラリンピックまでに五万人の養成を目指している。

 講座は都内各地で行われ、人気が高い。今まで二回申し込んだが、抽選ではずれ、三度目の正直で受講できた。会場は日本橋公会堂。台風が関東地方に接近した土曜午後に開かれたが、欠席者は五人だけで、五十五人が集まった。

 講座では女性講師の指導で外国人とのコミュニケーションに関する基礎知識を学んだ。講義だけでなく、四人でグループになり、日本語で議論したり、英語で外国人に説明するロールプレー(役割演技)をしたりした。

 私は留学経験も特派員経験もなく、英語は苦手だ。「実用英語技能検定二級以上またはTOEIC五百点以上に相当する語学力の方」が対象だが、その力はないかもしれない。不安なまま受講した。

 初めに英語で四十秒の自己紹介。名前と住所、年齢を話したところで、早速、詰まった。「そうだ。はまっているラテンダンスの話をすればいい」。サルサが好き。約一年前から始め、いまでは一人でバーに行って踊っていると話したら、たどたどしい英語なのに、グループの仲間にはうけた。好きなことは伝わる。

 この後、一人が外国人役、一人がボランティア役になって二人一組で、観光地に地下鉄を乗り換えて行く案内の仕方、落とし物をした外国人への対応など、英語で説明する練習をした。最後が難題。グループの若い女性が外国人役になって私にした質問は「どこに行けばサムライに会えますか」。いま、本物のサムライはいないと説明はできたが、それに代わるものはどこで見られるのか、知識さえない。

 苦しまぎれに「テレビドラマで見られます」と説明すると、女性が「好きなドラマは」と再質問。何も浮かばず、「歌舞伎でも見られます」と話をそらし、歌舞伎座への道案内をして終えた。英語は下手、答えが変でも、相手の目を見て笑顔で話したら、会話らしくはなった。

 講師が最後にアドバイスをくれた。「気軽に声を掛ける。完璧を目指さない。足りないところは帰ってから調べる。その繰り返しが大事です。今日、帰るところからボランティア活動が始まります」

 ※記者(56)が地域に溶け込もうとする奮闘記。次回は九月一日に掲載。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報