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【暮らし】

高校生のアルバイト代 時給なぜ安い?

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 この夏休み、アルバイトに初めて挑戦した高校生もいるのでは。最大の関心事は、お金をいくら稼げるかだろう。しかし労働の「単価」である時給をみると、高校生だけ一般に比べて安い場合がある。なぜだろうか。 

  (寺本康弘)

 「時給千五十円 ※高校生 時給千円」。インターネットでアルバイトの求人を検索すると、高校生だけ、五十〜百円程度時給が低い仕事をよく見かけた。一方で「主婦(夫)」や「大学生」に限定して時給を安くしている求人は見当たらなかった。

 高校生だけ低い時給にする「高校生時給」は法律上問題ないのか。労働問題に詳しい弁護士の笹山尚人さん(東京都)に尋ねた。

 「高校生や大学生など属性ごとに時給を設定することは、法律上規制されていません」。法律的には問題ないとのことだ。笹山さんによると、法律で賃金に差をつけることを禁じているのは労働基準法三、四条だけ。国籍や信条、社会的身分(生まれで決まる社会的地位など)を理由とした差別的な取り扱い、女性であることを理由に男性と差別的な取り扱いをしてはならないとの規定だ。

 法律上問題がないと聞いても何か釈然としない。差をつけている側は高校生時給についてどう説明するのか。コンビニチェーン大手は「各店舗のオーナーの判断」として、本部として関知しない問題とする。全国にスーパーなどを展開する流通大手も「各店の店長が、周辺の高校生の時給に合わせて時給を設定している」とする。

 大手ファストフードは高校生時給を設ける理由について、「勤務時間帯が限られているのが理由の一つ」と説明する。十八歳未満は深夜勤務ができなかったり、大学生や主婦などと比べてシフトを組みにくかったりするためという。ただいずれの会社でも高校生時給を設定していない店はある。高校生時給を設定する理由の根拠は薄弱と感じる。

 高校生はどう感じるのか。今春まで高校三年間飲食店でバイトを経験した都内の女子大学生(18)は「高校生と大学生の時給差があるのは仕方ないと思う」と話す。「大学生の方が遅くまで働けたり、店をうまく回したりしていたから」と振り返る。

 一方、後から入ってきたばかりで仕事を覚えたての大学生と同じ時給も経験したことから、「もし自分が時給を決められるなら能力を見て時給を決める。その方がバイトをする側にとってもメリットがあるし、店にとってもプラスになると思う」と話す。

 笹山さんは「高校生は対応できないが、高卒以上の人はできるという業務があれば、時給に差をつけても理屈は通る」と指摘するが、そうした業務は「まずない」との立場。「ただ、おかしい、不合理だと裁判で争ったとしても違法ではないため時給を上げるという判決は出ない」とも話す。

 笹山さんは「自分の働きが時給に反映されていないと思うなら、店長やオーナーにきちんと説明して時給を上げるよう話し合ってみては」とアドバイスする。

 

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