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【暮らし】

合唱シーズン 上達のこつ 音楽に触れたくさん歌う

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 芸術の秋。音楽会などで合唱に取り組む学校や園も多く、歌の苦手な子やその保護者にとっては少々気の重い季節だ。「リズムが取れない」「音を外すのが恥ずかしい」という子どもにはどんな助言をしたら良いのか。そもそも、音痴は直るのか。合唱指導の専門家に聞いた。 (今川綾音)

 「娘が歌うと、リズムも音程もずれているのが気になる。もうすぐ小学校に入って初めての音楽会があるけれど、大丈夫だろうか」

 東京都内の会社員女性(45)は、歌があまりうまくない小学二年生の長女(8つ)を心配する。歌うことは好きで、友達と一緒に地域の合唱団のオーディションも受けたが落ちてしまった。「私も音痴だから仕方ないのかもしれないけれど。できれば何とかしてあげたい」と話す。

 ◇ 

 「音痴は直ります」。合唱指揮者で「超一流の指揮者がやさしく書いた合唱指導の本」(明治図書出版)の著作もある黒川和伸さん(38)は断言する。「生まれつき音痴な子はいない。歌の上手下手の差は、音楽に触れてきた量の差だ」と言う。

 両親などが音楽好きで、毎日、音楽が流れているような家庭の子は、自然と自分でもメロディーを口ずさんだり、頭の中で再生したりしている。こうしてインプット(入力)とアウトプット(出力)を繰り返すうちに、リズムを取り、正しい音程を声に出すことに習熟していく。

 生まれ持った得意、不得意よりも大事なのは、この体験の積み重ね。黒川さんは「歌が苦手な子も、耳で聞いて自分で声を出す過程を繰り返すことで変わっていく。運動と同じで、歌えば歌うだけうまくなる」と話す。

 親子で「おうむ返しの練習」をするのもよい。親が例えば「ソー、ドー」と音程を変えて音を出し、子どもがまねをする。歌の場合は、短いフレーズごとに区切ってまねをさせ、曲に仕上げていくとよい。千里の道も一歩から。親も歌が苦手なら、CDや演奏動画を活用しよう。

 「自分は音痴」「歌は苦手」だと思っている人は、人生のどこかで「あなただけリズムが違う」「音が外れてるよ」などと指摘され、苦手意識を持ってしまっているケースが多い。歌に対して後ろ向きな気持ちにさせないよう、周囲は声掛けに注意したい。

 黒川さんは「忘れられがちだが、歌は本来、うまくなくてもいいもの。歌の語源は『訴(うった)う(訴える)』との説もあり、うれしいときや悲しいとき、自分の気持ちを乗せて表現するものだ。ストレス解消にもなるので、大いに歌わせてあげてほしい」と話している。

◆「音が取れない」ときは ・得意な子の近くで ・耳の横に手当てて

 小学校高学年から中高生になると、複数のパートに分かれて合唱することが多い。メロディー以外を歌う機会が増え、「音が取れない」と悩む子も多い。

 全体での合唱中に自分の音程が合っているのか分からない人は、耳の後ろや横に手を当ててみよう。自分の声がよく聞こえる。

 隣のパートの音につられてしまう場合は、並ぶときにパート内の中心寄りに立たせてもらうとよい。歌の得意な子に後ろに立ってもらうのも有効だ。その子の声を聞きながら歌えるので、音が取りやすくなる。

 

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