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【暮らし】

空き家所有者はご注意! 住宅火災保険は対象外

父死去に伴う問い合わせで送られてきた「解約届」。空き家になると、住宅としての火災保険は使えません

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 「えっ、ご自宅に電話がない…」。それは、オペレーターの当惑した声から始まった。父が死去し、公共料金等の名義を変更する手続きの中で、火災保険もと電話したところ、空き家となったわが実家については、保険を請け負えないというのだ。 (三浦耕喜)

 わが実家は空き家といっても、一部は資材置き場となった店舗で、弟が工具や材料調達のため毎日通ってくる。私も週末は実家に通って家に空気を通す。

 だが、父母が施設に入った後、電話の契約を解除。今はネットもテレビもつながらない。ガスも止めたので風呂にも入れない。誰も使わないなら不要と考えたためだ。それでは「お住まいになっているとは言えません」との言葉通り、一週間後に届いたのは「解約届」だった。

 わが実家が空き家となって二年余。ということは、この間、補償のない無保険の状態だったのだ。介護仲間にも聞いてみる。母親を遠方のグループホームに入れて、実家を訪ねるのは、一、二カ月に一度という六十代の女性は「知りませんでした…。今度、実家に帰ったら調べないと」という。

 なぜ、空き家には住宅の火災保険が適用されないのか。空き家なら火の気もなく、かえって火災のリスクは低いと思うのだが。

 損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの平野敦之氏に聞こう。平野氏いわく、「火災保険にかかるリスクは人が住んでいるかどうかにも左右されるからです」。

 管理が行き届かなければガラスなども割れたままになるかもしれない。それが積み重なって廃屋のようになれば、誰かが勝手に住むようになるかもしれない。出火原因の一位は放火だ。ぼろぼろの状態を放置すれば、瓦なども落ちやすくなり、人にけがをさせることもあり得る。

 「人が住んでいれば、傷んだところを早く発見し、修復もするでしょう。火災保険は用途で保険料が変わり、一般的に『住宅物件』の方が、店舗などの『一般物件』よりも安く設定されている」のだそうだ。

 わが家の場合は「住宅物件」として扱われていた当時の年間の保険料は二万一千円ほどだ。ここでは「一般物件」は扱っていなかったので、他の損保会社に同じ条件で見積もってもらったところ、三万三千九百九十円だった。約一・六倍の負担増だ。

 ちょっと高いと答えると、担当者はいくつかのオプションを抜いたプランを提示してきた。火事で焼け出された際のホテルの臨時宿泊費などいくつかのオプションを落とすと、保険料は年二万七千四百円になった。まだまだ差はあるが、だいぶ安くなった。

 だが、保険料ばかりにこだわるわけにはいかない。大事なことは、相続などで所有者が変わるなど重要な変更があった場合は「必ず保険会社に連絡し、相談して」ということだ。

 「保険会社によって『住居』の定義は微妙に異なる。現在は親が入院して空き家でも、いずれ家に戻る可能性だってあるかもしれない。家財があるなどいくつかの基準を満たしていれば契約を引き受けてくれることもある」

 反対に不利なのは保険会社への説明がまったくないこと。「火災保険にも、生命保険と同様、告知義務があります。持ち主や用途が変わった、などは重要な告知事項です。そこをはっきりさせておかないと、いざというときにトラブルのもととなります」と平野氏は警告する。

 

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