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【暮らし】

<食卓ものがたり>養殖発祥の地、誇り高く 浜名湖のウナギ(静岡県)

浜名湖周辺で養殖された「浜名湖うなぎ」=浜松市で

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 背開きにして蒸し、甘辛いタレにくぐらせてから、じっくりと焼き上げる。江戸時代から精を付ける食材として親しまれてきたウナギ。近年は稚魚となるシラスウナギの減少で価格が高騰しているが、それでも人気は衰えない。

 静岡県の浜松、湖西両市にまたがる浜名湖周辺は、ウナギ養殖の発祥の地とされる。温暖な気候や豊富な地下水に恵まれ、シラスウナギが育つ好条件が重なり、全国有数の養鰻(ようまん)業の産地となった。

 養殖業者でつくる「浜名湖養魚漁業協同組合」の外山昭広組合長(71)は「ウナギ養殖で百年以上の歴史がある。他にも有名な産地はあるけれど、歴史の重みが違う」と話す。

 一九〇〇(明治三十三)年、東京でウナギやスッポン飼育を研究していた服部倉次郎が、東海道の中間点という物流の良さに着目、浜名湖畔に養鰻池を造ったのが始まり。試行錯誤を重ね、稚魚から育てる飼育法が確立した。エサはサバやホッケを与えていたが、すり身、そしてイワシの粉末に進化。暖かい水温を好むため、露地の池での養殖から、年間通じて三〇度に保てるビニールハウスの池が主流となった。外山組合長は「昔のいいところは残しながら、新しいやり方を取り入れてきた」と話す。

 三十年ほど前は生産量日本一を誇った浜名湖。その座こそ鹿児島県に譲ったが、いまでも組合の二十七業者が年間千二百トンのウナギを出荷。浜松、湖西両市にはウナギ料理専門店がひしめき、観光客や地元住民が訪れる。

 近年は安い中国産ウナギが出回る中、ブランド力の強化に力を入れる。今年一月には、「浜名湖うなぎ」が商標登録された。外山組合長は「出願から十二年がかりでようやく認めてもらった。業者や店共通でのぼりを作ったりしてPRに生かしたい」。一丸となって歴史の味を守っていく。

 台風24号に伴い県西部で数日間続いた大規模停電。ハウス養殖の組合員は自家発電機でしのいだ。外山組合長は「ヒヤヒヤしたが被害はなかった」と話した。

 文・写真 河野紀子

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◆味わう

 浜松市のJR浜松駅前にある、浜名湖養魚漁業協同組合の直営店「浜名湖うなぎ 丸浜」では、「浜名湖うなぎ」を使ったうな重やうな丼を食べることができるほか、持ち帰り専用のうなぎ弁当=写真、1800円=も用意している。

 ウナギ料理専門店でつくる「浜松うなぎ料理専門店振興会」のホームページでは、「浜名湖うなぎ」を提供するお店を一覧で紹介。営業時間や定休日、メニューと料金などを調べることができる。一部の店は全国発送もしている。

 

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