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【暮らし】

「働き方改革」でシワ寄せ 「残業しない管理職」になるには

「業務の必要性の見極めが大事」と話す上野綾子さん(右)=東京都品川区で

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 「働き方改革」で労働時間を減らす取り組みが進む中、管理職の働き方が注目されている。部下の労働時間を管理しながら、生産性を上げて成果も出さないといけないため、かえって長時間労働を強いられているとの指摘がある。管理職も労働者。ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を取るためにどう働けばいいのか。実践者に尋ねた。 (寺本康弘)

 有機野菜などの宅配「オイシックス・ラ・大地」(東京都品川区)。販売企画部門でマネージャーを務める上野綾子さん(42)は、共働きで小学生二人と保育園児一人を育てている。子どもの迎えがあるため午後四時半には退社。もちろん残業はできない。

 限られた時間で業務を遂行するため、実践しているのが必要性の判断。会議も「本当に自分が出る必要があるか」を考える。「情報共有が主な目的ならメールでもいい」と欠席することもある。効果の出ない業務はきっぱりやめる。「全部できれば結果も良くなると思うが、それでは際限がない」と割り切る。

 業務の取捨選択の一方、部下十人とのコミュニケーションはマメに行う。特に企画担当の部下三人とは毎朝十分ほど話し合い、業務の進行状況や方向性を確認、課題があればその都度指示を出す。残り七人とも定期的に面談を実施。日常の心配や不安などについて話しやすい環境を整える。自分の事務作業は週後半にまとめて時間をとる。この間は部下の相談を受けず、集中して終わらせる。

「いつでも部下の相談を受ける」と話す神田充教さん=同中央区で

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 カジュアル衣料「ストライプインターナショナル」(東京都中央区)の人事担当の役員を務める神田充教さん(47)は残業をせず、毎夜家族の夕食を作る。

 部下のために時間を使うのが管理職との思いから、いつ相談しても構わないと伝えている。いつでも応対する分、労働時間は増えそうだが、「いったん間違った方向に進むと、修正するのにはより時間がかかる」という。

 ただし「どうしましょうか」は禁句。提案をしてもらい、二、三分で判断する。時間の浪費も回避でき、業務の効率化が期待できるという。

◆「3年前より業務増」42%

 「働き方改革」は管理職の仕事を増やしている−。NPO法人ファザーリング・ジャパンが昨年八月、千四十四人の中間管理職(部長・課長)に聞いたインターネット調査によると、三年前と比較し「役職における業務量が増加している」との回答が42・6%だった。同法人代表理事の安藤哲也さんは「多くの企業で、時短や休暇促進だけの単なる『働かせ改革』になっている」と指摘する。

 リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所所長の古野庸一さんは管理職が長時間労働になるのは「(残業削減のため)部下に仕事が終わっていなくても退社を促し、終わっていない業務を代わりに担うから」と解説する。

 古野さんによると、マネジメントに巧みな上司は仕事を割り振る際、仕事の意義や任せる理由をはっきりと伝える。すると任された人も意欲的に取り組み、成果も上がるという。管理職は社外での活動を充実させることも大切。「魅力的に映り、部下の信頼感も生まれる。円滑なマネジメントという好循環にもつながる」

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