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【暮らし】

<大丈夫?保育の質>「保育指数」自治体で差 選考のしくみ年々複雑化

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 認可保育園へ来年度の利用を申し込む時期。入園選考は、自治体が利用家庭ごとに必要度を判定する「保育指数」が決め手になる。だが、待機児童問題を背景にこの指数が年々複雑になり、分かりにくいとの声が聞かれる。指数の基礎知識や自治体の考え方によって点数の付け方に差が出る項目などを調べた。 (今川綾音)

 保育指数は、保護者の就労や健康、介護・看護などの状況によって決まる「基準指数」と、認可外保育施設の利用実績や、きょうだいや祖父母の状況などで決まる「調整指数」の合計点だ。

 一般的には、保育指数の高い子どもから、希望を踏まえて利用園が決まる。指数が同じ家庭があった場合は、「住民である」「過去に入園辞退をしていない」などで優先順位をつけて判断する自治体が多い。

 自治体によって規定がさまざまなのが調整指数。その上、毎年少しずつ変わっていく。例えば「認可外保育施設を利用している」ことを重視して加点する自治体もあれば、まったく考慮しない自治体も。同じ自治体でも、加点する項目が変わることもある。

 つまり、子どもが置かれた状況は同じでも、どの自治体に申し込むかで、認可保育園への「入りやすさ」は変わってくると言える。

 自治体によって差が目立つのは、次の五項目への対応だ。

(1)他のきょうだいが在園している園を希望

(2)子どもの数や年齢

(3)認可外の施設等を利用

(4)保育可能な祖父母と同居・近居

(5)住民かどうか、居住歴

 東京都杉並区は、二〇一八年度入園の選考から(3)への加点を廃止した(一七年度末までの認可外入園は加点)。同区保育課は「点数を稼ぐために、育休を切り上げて認可外に預けて復職する人が多い。希望通り育休を取れるように育休中の人への加点を増やした」と理由を説明する。

 「保育は住民サービス」であるとして(5)を考慮する自治体が多いが、さいたま市や東京都北区は「転入予定者」と「以前からの住民」を同じ条件で選考している。同市保育課は「保育環境などを考えて、ここで子育てしたいと転入を検討する家庭も不利にならないようにしたい」と話している。

◆加点の有無よく調べて

 自治体ごとに保育指数の規定が違ったり、変わったりする理由について、「保育園を考える親の会」(東京都)の普光院亜紀代表は「どの自治体も、保護者の要望や苦情を受けて、地域の実情に合った形に毎年見直しているため」と説明する。

 普光院さんは、調整指数は「必要悪」と言う。不十分な保育の枠を争う保護者に対して選考の理由を客観的に示すために、規定がどんどん細かくなっている。「ここまで細かく、入園案内も役所用語が満載なのは異常。保護者が理解できない。ゴールは待機児童を解消し、調整指数が不要になること」と指摘する。

 とはいえ、まずは来年度の申し込みだ。「加点される事情があるのに気付かず、書類が間に合わなかったりすれば不利益を被る。分からないことは、役所や子育て支援センターの窓口で質問して」と助言する。

 

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