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【暮らし】

<食卓ものがたり>家庭で受け継ぐ郷土の味 いももち(岐阜県中津川市)

サトイモの粘りが強いため、すりつぶす作業を2人がかりで行う桂川さん(右)ら=岐阜県中津川市で

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 上質な東濃ひのきの産地として知られる岐阜県中津川市の加子母(かしも)地区。山里の家々では、地元のサトイモと米を炊いて作る郷土料理「いももち」が受け継がれている。

 表面はパリッと香ばしく、中はもちもち。ほんのり甘く、素朴な味わい。サトイモの収穫がピークを迎えた十一月半ば、「道の駅加子母」で、できたてのいももちをいただいた。「しょうがじょうゆを付けるのがお勧め」とベテランスタッフの桂川智子さん(52)。さっぱりして、いくつでも食べられそうだ。

 貴重なもち米に代え、粘りを付けようとサトイモを使ったのが始まりとされる。まず、炊飯器に米と下ゆでしたサトイモを煮汁ごと入れ、一緒に炊きあげ、すりこぎでつぶす。「結構、力がいるんです」と桂川さん。熱いうちに手で丸めて形を整え、フライパンで軽く焼き目をつける。

 サトイモは生のままで炊いてもよく、どの状態までつぶすかも家によって違う。桂川さんはサトイモの割合を増やし、しっかりつぶしてねっとりさせるといい、「母から教わった味。高校生の娘にもそろそろ伝えなきゃ」。桂川家ではホットプレートで焼きながら食べるという。

 家庭の味が道の駅のメニューに加わったのは、地元のサトイモ「西方いも」が十六年前、県の伝統野菜に指定されたのがきっかけ。「『ねばいも』と呼びます。粘りが強いだけでなく、ほくほく感もある」と生産組合の田口心平組合長(53)。ブランド化が功を奏し、今では首都圏のホテルからも引き合いがある。

 生産農家二十五軒の平均年齢は六十歳を超え、収穫は重労働。種芋が凍るほどの厳冬や、猛暑による水不足など近年の異常気象にも向き合わなければいけないが「おいしいと言ってもらえるのが励み。なんとか次世代に伝えていきたい」。

 文・写真 小中寿美

◆買う

 道の駅加子母では、いももち3個に小鉢やみそ汁の付いた「いももち定食」(780円)=写真=が11月から翌年2月ごろまで味わえる。しょうがじょうゆのほかに、ねぎみそのたれが付く。持ち帰り用もあり、3個390円。

 西方いもも道の駅で購入できる(500グラム250〜300円ほど)。地方発送もしている。秋冬限定で、問い合わせは同店=電0573(79)3319。例年は西方いもの収穫体験が地元の畑で行われているが、今年は猛暑による水不足で生産量が少なく、中止となった。

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