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【暮らし】

<食卓ものがたり>甘味増す冬「きときと」を ベニズワイガニ(富山県射い水みず市)

水揚げされ、すぐに釜ゆでされるベニズワイガニ。潮の香りが漂う=富山県射水市で

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 水揚げ直後のベニズワイガニが約三千匹、床一面に敷き詰められていた。午後一時、新湊漁港(富山県射水市)。名物「昼セリ」がスタート。競り人と仲買人らの掛け声で市場内が一気に活気づいた。

 「天然のいけす」と呼ばれる富山湾。漁場が近く、午前中漁に出た漁船も短時間で港に戻れるため、新湊漁港では早朝のセリに加え、全国的にも珍しい昼セリがある。競り落とされたベニズワイガニの一部は、土産物を売る漁港内の「新湊きっときと市場」ですぐに釜ゆでに。湯気と一緒に潮の香りが立ち上った。

 「ベニズワイガニの漁の解禁日は、おわら風の盆が始まるのと同じ九月一日。富山では秋の訪れを告げる風物詩です」と、富山県観光振興室長の砂原賢司さん(55)。漁期は五月末まで続くが、身がしまって甘味が増す冬場が旬だ。

 北陸のカニといえば、福井県の「越前がに」などズワイガニも有名。見た目はよく似ているが、ベニズワイガニはゆでなくても鮮やかな朱色で、ズワイガニより深海に生息する。二〇一六年の漁獲量は約四百三十四トン。水分が多く、身が軟らかいのが特徴だ。

 富山県によると、ベニズワイガニは甘味成分、うま味成分の量ではズワイガニに劣らない。一方、一キロ当たりの平均的な単価は約千円で、ズワイガニの五分の一程度とお値打ちだ。

 県は二年前、ホタルイカ、シロエビ、ブリに続く富山湾の代表的な水産物として、ベニズワイガニのブランド化を開始。昔は北陸地方が「越(こし)(高志(こし))の国」と呼ばれていたことと、漁業者の高い志をかけ、県産ベニズワイガニを「高志の紅(あか)ガニ」と名づけた。

 このうち重さ一キロ以上、身がしっかり詰まっているなど、一定の規格を満たすものは「極上 高志の紅ガニ」としてタグ付けして出荷。この日水揚げされた約三千匹のうち、タグ付けされたのは一匹だけ。年間でも全体の1%未満と希少で、高値で取引される。

 選ぶ際は重いもの、殻がしっかりしているものを。砂原さんは「ぜひ冬の富山で、きときとの(新鮮な)カニと地酒を」とPRしている。 (砂本紅年)

◆味わう

 鮮度抜群のベニズワイガニは、新湊漁港内に昨年1月にできた「新湊かに小屋」で味わえる。昼セリ見学とカニグルメを組み合わせたプランもある。漁港内の土産物売り場「新湊きっときと市場」の食事処(どころ)では、ベニ(紅)ズワイガニとシロ(白)エビがのった「新湊紅白丼」=写真=も。

 JR東海、東日本などの旅企画「Japanese Beauty Hokuriku キャンペーン」(3月末まで)では、きっときと市場でJRの帰りの切符を見せると、ベニズワイガニを割引価格で購入できる特典がある。

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