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【暮らし】

突然の長期休暇申請にもあわてない! 「ダイバーシティー職場」とは

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 少子化や外国人労働者の受け入れ拡大などにより、高齢者や障害者、外国人など多様な背景を持つ人がともに働く職場は今後、さらに増えていきそうだ。ダイバーシティー(多様性)の職場で、みんなが快適に働くために必要なこととは何か。外国人従業員の割合が高い企業の取り組みを例に考えた。 (寺本康弘)

 さいたま市中央区のビルに入居する中古車卸業「タウ」。ずらりとデスクが並ぶオフィスの中央に、国内外の中古車業者と取引する販売部がある。部員四十二人のうち約半数が外国人。活気があり時折、笑い声も上がる。中村真之介さん(29)は「外国人の同僚は率先して声をかけてくれたりジョークを言ってくれたり。とても雰囲気が良いですよ」と話す。

 同社全体でも従業員約四百八十人のうち一割ほどが外国人だ。取引が多い国の出身者を積極採用しており、ロシアや中国、フィリピンのほか南米やアフリカの人もいる。

 同社の方針は、社内制度で日本人と外国人に一切差をつけず、機会を平等に与えること。子育て中の外国人の母親五人は日本人社員と同様に時短勤務で働くほか、出社時間を選べるフレックス制度を利用する。管理本部長の熊野真吾さん(43)は「特別なことは何もしていない」と話す。

 ただ、働き方に対する意識の違いから衝突を経験したことも。外国人社員が突然「二カ月の休みがほしい」と申し出た際、会社は「日本の常識の範囲でやってほしい」と門前払いした。しかし、日本人からも「日本の働き方の常識を押しつけるのはおかしい」との意見が出て、話し合いの末、二〜三週間の休みが取れるように。誰かが長期休暇を取っても支障が出ないよう仕事をカバーし合える体制をつくったり、休み前には綿密に引き継ぎしたりするよう業務運営を見直した。

 年に一度、社員の子どもの職場見学では、イスラム教の家庭の子も食べられるハラール弁当を用意するなど、すべての社員を大切にしていることが伝わるよう気配りもしている。

 こうした取り組みは口コミで評判となり、日本語が話せて即戦力になる外国人の採用は順調だ。熊野さんは「国籍や役職、部署などの垣根をつくらず話し合える風通しの良さが、働きやすさにつながっているのでは」と話す。

 職場環境のあり方を提言するリクルートマネジメントソリューションズのシニアコンサルタント・武藤(ぶとう)久美子さんは「仕事だけに傾注できる男性中心の職場では、何となくあうんの呼吸で通じていた常識が、多様な人たちが働くようになれば通用しなくなる」と指摘。「相手に対して思い込みや決めつけをせず、その人の考えや大事にしていることなどをきちんと確認していくコミュニケーションが求められる」と話す。相手への共感力を高めるためには、職場以外での地域活動などでさまざまな立場の人と関わることも役立つという。

 

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