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【暮らし】

<30代から考える>続・教育資金 学資保険、貯蓄性薄まる

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 学資保険は、教育資金を積み立てたい子育て世代にとって手堅くためられ、死亡リスクにも備えられる定番の保険だ。だが、近年は低金利の影響で、手頃な掛け金で十分な保険金を得るのが難しく、以前ほど貯蓄としての魅力は薄まっている。準備手段は終身の生命保険(終身保険)や外貨建ての活用など多様化しており、専門家は複数の選択肢を検討するようアドバイスする。 (添田隆典)

 愛知県内の四十代の会社員女性は、小学六年の長女(12)と三年の次女(9つ)が生まれた後、それぞれ同じ学資保険を契約。毎月約七千円の保険料を十七歳まで払い込めば、計百六十万円の保険金が中学、高校、大学進学時に分割で受け取れる保障で、年長の長男(6つ)用にも入ろうとした。

 知り合いのファイナンシャルプランナー(FP)に相談すると、「(長女や次女のころと比べ)保険料が割高」と言われ、薦められた自分名義の終身保険を選択。死亡保障は三百万円で、毎月一万円ほどの保険料を長男が十七歳になるまで払い込めば、以後、いつ解約しても掛け金よりも多い払戻金が受け取れる。

 保険金の受取時期が決まっている学資保険に比べて柔軟に運用できるため、女性は「保障内容を考え総合的に決めた」と話す。

 学資保険は、教育資金をほかの資産と分けて管理することで貯金が苦手な人も“強制的”にためることができ、保険料の払い込みの途中で親が亡くなっても保険金が満額支給される。さらに払う保険料の総額に対し、どれだけの保険金が返ってくるのかを示す「返戻率」も以前は比較的高く、死亡時のリスクへの備えと、貯蓄を両立できる商品として人気を集めた。

 だが、近年の低金利で二年前には主要各社が保険料を値上げ。返戻率が大きく下がり、100%を切って元本割れした商品もある。

 保険会社によっては、通常、子どもが十八歳になるまでの保険料の払込期間を十歳まで前倒したり、保険金の受取期間を二十二歳まで延ばしたりして長く運用し、100%台を維持している商品もある。

 保険代理店「保険コンパス」を運営する「ティー・エフ・オフィス」(名古屋市)のFP勝野真二さん(33)は「教育資金の準備は学資保険のほかにも、生命保険をうまく活用することでも対応できる」と話す。

 例えば、親を被保険者とする養老保険は期間中に親が死亡すれば、死亡保険金が支払われ、満期に生きていても同額の保険金が出る。終身保険はいつ、親が死亡しても保険金が受け取れる。勝野さんは「養老保険で大学入学までを保険期間とすれば、入学時点でまとまった満期保険金が受け取れる」と話す。

 利率の高い外貨建てで養老、終身保険に入る商品もある。特に米ドルは返戻率が高い。ただ、ドルから日本円に換算して保険金を受け取るのが一般的なため、為替の変動リスクが大きく、それらを十分に理解した上で契約する必要がある。

 また、死亡保障は保険を利用し、貯蓄は別で行う手も。資産運用全般に詳しい名古屋市のFP吉田篤さん(35)は、保険料の安い定期保険を活用した方法を提案する。

 定期は掛け捨てだが、保険期間内に被保険者が死亡すれば保険金は支払われる。子どもが成人するまでの備えとして保険期間二十年で三百万円程度の死亡保障が付く商品なら、月々の保険料は千円以下で済むという。吉田さんは「自分で運用したり、貯蓄したりすれば、学資保険の貯蓄性はカバーできる」と話す。

 ソニー生命が二〇一七年、高校生以下の子どもを持つ親七百五十人に調査したところ、学資保険の加入率は46・3%。教育資金準備の手段として「銀行預金」に一三年の調査開始以降、初めてトップを譲った。

 吉田さんは「各商品のメリット、デメリットをよく理解して選んでほしい」と話す。

 

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