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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 独居の母が着物を売却 言い寄る業者に不信感

 正月に帰省して一人暮らしの母と過ごし、母が古い着物をすべて売ってしまっていたことを知りました。母は「死んでから子どもたちに迷惑をかけたくないので、整理している」と言っていますが、最近、古い指輪や宝石などを売りませんかと言って熱心に通ってくる業者がいるらしく、心配です。 (東京都・パート 40代)

◆依頼のない訪問買い取りは違法

 自宅などを訪れた業者が、着物や貴金属などを相場より不当に安い値段で強引に買い取っていく「押し売り」ならぬ「押し買い」を心配しておられるのですね。よく考えたら売る気はなかった、あるいは後に不当に安い値段であったと気付いて品物を取り戻そうとしても、業者に連絡がつかないなど、一時期、特に高齢者に「押し買い」の被害が続出しました。

 こうした消費者トラブルを防ぐために特定商取引法が改正されて、二〇一三年二月、消費者が売り主となる取引である「訪問購入」についても、規制されるようになりました。

 (1)依頼がない場合は、業者が買い取り交渉のために自宅を訪問すること自体が許されません。「飛び込み勧誘」は禁止されました。

 (2)依頼されて訪問する場合にも、業者は勧誘の前に、氏名(名称)や購入物品の種類などを明示しなければなりません。着物の買い取りに訪問した業者が、宝石類も売らないか、と勧誘することは違法です。

 (3)売買契約では、品物や価格などの契約内容を明らかにした、法律で定めた書面を交付しなければなりません。

 (4)売買契約をした場合でも、(3)の法定の書面交付から八日以内であれば、売り主が解約できるクーリングオフ制度が適用され、この期間内は、売り主は物品の引き渡しを拒むことができます。

 また、業者の威迫行為があった場合など、八日が過ぎても解約できる場合があります。

 このように、法律の規制が強化され、国民生活センターも相談に応じているのですが、書籍やCD、自動車などが規制対象から除外されるなど、万全ではありません。

 お母さまにはこれらの内容や、見知らぬ業者を絶対に家に入れないよう注意を伝え、お気持ちに沿い、整理を手伝うことも考えてみましょう。

 

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