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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 滝沢香弁護士> 家主急死後の家賃を「おい」が振り込み指示

 借りて六年になるマンションの部屋の家主が急に亡くなりました。家主は単身で暮らしていました。先日、家主の「おい」という人から電話があり、彼名義の口座に家賃を振り込むように電話で指示がありました。賃貸契約の更新時期も近いのですが、家主からおいの存在を聞いたこともなかったので、どう対応すればいいのか不安です。 (埼玉・会社員 36歳)

◆正当な送金先か相続人確認を

 不動産の賃貸借契約は、相続人に引き継がれます。家主が亡くなったら賃貸借契約が終わるわけではありません。

 相続人が複数いる場合には、誰がどのように相続するかの遺産分割が必要です。分割されれば、借り主は不動産を相続した人に家賃を支払うことになります。

 しかし、このケースでは家主が一人暮らしだったため、相続人が不明です。あなたに電話をしてきた「おい」が本当に相続人なのか、また他に相続人はいないのかが分からないまま家賃を支払うのは不安ですね。

 「おい」以外にも相続人がいる場合、その不動産を誰が相続するのかが決まるまでの間は、各相続人には、法律で定められた相続分にしたがって家賃を得る権利があります。「おい」が唯一の相続人であることが確認できれば、指示通りに送金しても差し支えありませんが、他にも相続人がいる場合には、その人たちからも家賃を請求される可能性があります。指定された口座に送金しても、「家賃不払い」とされてしまうおそれがあるのです。

 したがって、「おい」が唯一の相続人であること、または相続人全員の合意の上で決められた送金先であることが確認できなければ、債権者がはっきりしないこと(債権者不確知)を理由に、法務局に家賃を預ける(供託)手続きをするほうがよいでしょう。

 また不動産の賃貸借契約は、期限の一年前から六カ月前までに、家主から「更新しない」との通知がされていなければ、今までと同じ家賃などの条件で更新したものとみなされます。

 家主の相続人が何人いるかを調べる方法や、家賃供託の仕方は、早めに弁護士に相談なさるのがよいでしょう。

 

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