東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 悩みの小部屋一覧 > 記事

ここから本文

【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 管理費と修繕積立金 滞納分回収するには

 マンション管理組合の理事を務めています。一年以上、管理費と修繕積立金の支払いが滞っている所有者がいます。ご夫婦の共有名義になっているのですが、部屋は別の人に貸しているようです。管理会社から催促してもらっているのですが、支払ってもらえず、困っています。管理費と修繕積立金を回収するにはどうすればよいでしょうか。(東京都・男性 65歳)

◆少額訴訟は可能 実情把握を

 管理費や修繕積立金の滞納はマンションの所有者全体に影響を及ぼすため、頭の痛い問題です。管理会社が催促しても支払わないということですから、法的手続きを検討する必要があります。

 滞納額が六十万円以下の場合には、簡易裁判所の少額訴訟を利用することができます。この手続きでは、一回で審理を終結し、直ちに判決が言い渡されます。

 この場合、所有者のご夫婦はそれぞれ全額を支払う義務があります(東京高裁平成十八年十月三十一日判決)。

 裁判手続きをするには、管理組合の総会で決定するか、管理規約に定めがあれば、理事会で決定することが必要です(建物の区分所有に関する法律二六条四項)。

 滞納者は他にも債務があることが多いので、判決だけで滞納分を回収するのは難しいのが通常です。

 滞納者が部屋を第三者に貸している場合は、家賃を差し押さえ回収するという方法があります。管理組合から競売の申し立てをすることも考えられますが、抵当権が優先することや、予納金を納めなければならないことから、あまり現実的な方法とはいえません。

 ところで、部屋が売却された場合、買い主(特定承継人)に対して管理費等の支払いを請求することができます(同法八条)。部屋が売却されるときに、買い主から滞納分を回収することはよくあります。

 なお、管理費、修繕積立金等の消滅時効は五年とされています(民法一六九条、最高裁平成十六年四月二十三日判決)。時効が完成しないよう注意が必要です。

 いずれにしても、滞納に対しては、早め、かつこまめに催促をした方がよいでしょう。そして、滞納者の実情をできるだけ正確に把握しておくことが必要です。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報