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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 土地相続難航業者に転居迫られた

<お悩み>同居の父が先日、亡くなりました。今、住んでいる家と土地は父の名義で、相続人は私と弟の2人です。遺産分割の話が進まずにいたところ、弟の持ち分を購入したという業者から連絡があり、共同で売却したい、引っ越してほしいと言われました。土地と建物の登記を調べてみると、父の名義から私と業者の共有に変わっていました。どう対応したらよいでしょうか。 (東京・自営業 65歳)

◆慌てずよく話し合いを

<お答え>弟さんと話し合っていたのに突然、業者が出てきて大変驚かれたと思います。ただ、遺産分割の協議が進まない場合、相続人が自分の持ち分だけを第三者に売却することはしばしば起こります。

 相続人が複数いる場合、遺産は民法で定められた相続分に応じて共有します。通常は、相続人の間で遺産分割の協議が調ってはじめて、それぞれの取得分が確定します。

 ただし相続人は遺産の不動産について、単独で相続分に応じた持ち分の登記をすることができます。そして、この持ち分を第三者に譲渡した場合、他の相続人は遺産分割の協議が調っていないことを理由として、譲渡が無効と訴えることはできません。

 ご質問のケースでは、業者が土地建物の二分の一の持ち分を取得したことを前提に対処することになります。

 もっとも業者が二分の一の持ち分を取得したからといって、共有者として建物を使用しているあなたに対して明け渡しを求めることはできません。ですから、すぐに引っ越さなければならない、ということはありません。慌てることなく、業者とよく話し合って解決を図ることが必要です。

 仮に、共有者間で不動産の処分について合意ができない場合には、共有者は共有物分割の裁判を起こすことができます。この場合には、裁判所が最も適当な不動産の分割方法を決めることになります。不動産を競売して、持ち分に応じて代金を分配することを裁判所が命じることもあります。

 話し合いにあたっては、今後の居住地、不動産の価値などさまざまな事情をよく検討してから結論を出すのがよいでしょう。まずは弁護士に相談することをお勧めします。

 

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