東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 悩みの小部屋一覧 > 記事

ここから本文

【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 労働時間に見合わぬ定額残業代制

<お悩み> 昨年、小規模な商社に転職しました。採用面接では、残業が月25時間程度あり、30万円の基本給の中には25時間分の残業代が含まれていると説明がありました。その記載がある労働契約書にもサインしました。しかし入社してみると、25時間以上残業することが珍しくないのですが、残業代は一切支払われていません。どうしたらよいでしょうか。(東京・会社員 30代)

◆金額が不明確なのは問題

<お答え> 最近は、残業代を一定額で支払う「定額(固定)残業代制」を導入している企業が多く見られます。しかし、法律的に見ると、定額残業代制は、適法な残業代の支払いと見なされない場合があります。

 労働基準法は、一日八時間、週四十時間を超える労働をさせた場合、割り増しをつけた残業代(通常残業の場合は、125%相当)の支払いを義務づけています。残業代を定額で支払うこと自体が禁止されるわけではありませんが、定額残業代の額が労働基準法の計算方法で算出された残業代の額より少ない場合は、その差額を支払う必要があります。

 また、定額残業代が労働基準法が定める残業代の支払いとして適法となるには、賃金の中のどの部分(どれだけの額)が残業代であるかが明示されている必要があります。この点が不明だと、労働者は、労働基準法が定める残業代が正しく払われているか確認できないからです。

 あなたのケースでは、三十万円の基本給のうち、いくらが残業代に当たるのかが全く不明です。労働契約書に「基本給の中には、二十五時間分の残業代が含まれている」と書かれていても、そもそも残業代は支払われていないと見なされることになりそうです。

 残業代の支払いがないと見なされる結果、基本給三十万円に加え、実際の残業時間全体に対する残業代(二十五時間以下の残業も含む)の請求ができることになります。

 残業代の不払いは労働基準法違反ですので、労働基準監督署に申告することで問題解決が図られることがあります。また、弁護士に相談して、裁判手続きをとることも考えられます。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by