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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 死後 全財産を自治体に寄付したい

<お悩み> 住んでいる町は海も山もあり、住民も温かい人が多く、とても気に入っています。夫と二人暮らしですが、付き合いのある親族はいないので、私たちが死ぬと、この家は空き家になります。この町がとても好きで、死後は全財産を自治体に寄付し活用してほしいと考えています。財産は自宅とその敷地、預金です。思いを実現するためにどのような方法がありますか。(神奈川・公務員 55歳)

◆遺言か死因贈与契約を

<お答え> 最近は、自治体への財産の寄付を考える方も多いようです。まず夫婦ともに意思が同じで、将来すべての財産があなたに相続され、他に相続人がいない状態になったと仮定して説明します。

 死後に財産を自治体に寄付する方法は、遺言による寄付(遺贈)や、死因贈与契約が考えられます。

 遺言も死因贈与も死亡後の財産の処分などを定める点は同じです。もっとも死因贈与は契約なので、寄付を受ける自治体との合意により成立しますが、遺言は遺言者の意思だけで作ることができます。

 遺言は、財産の取得を指定された者(受遺者)が寄付を受けない場合は効力を生じません。このため、遺言で寄付する場合、作成前に自治体に受け取ってもらえるか確認してください。

 現金の寄付は受け取りを認める場合が多いと思いますが、不動産は、自治体が公共のために利用できるかなどを個別に調査する場合が多いようです。

 仮に確認せずに遺言を作成し、自治体が受領しなかったら、相続人がいないことが前提になりますが、国に帰属することになります。

 遺言作成にあたり、遺言執行者(死後に遺言の内容を実現する者)を決めている場合は、遺言執行者も一緒に寄付の手続きを確認しておいた方が良いでしょう。死因贈与の場合も寄付の手続きを確認しておくことが必要です。

 以上は相続人がいない場合についてです。相続人がいる場合は、たとえ遺言で自分名義の財産を自治体に寄付するとしても、相続人が遺留分の主張を行うこともあるなど複雑になる場合もあります。そのため、弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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