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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 無期労働転換で正社員との賞与差は

<お悩み> 2010年4月から出版社で1年契約の契約社員として働き8年目です。仕事は会計。勤務時間は1日7時間、週35時間で正社員と同じですが、ボーナスは定額5万円です。契約が通算5年を超えると無期労働契約に変えられると聞きましたが、正社員並みの待遇になるのでしょうか。賞与の季節になると、仕事も大きく違わないのにおかしいと感じています。 (愛知・契約社員 43歳)

◆不合理なら有期で改善も

<お答え> 無期労働契約に転換した後の賃金や賞与などの労働条件は、別段の定めがなければ、転換前の有期労働契約と同一です(労働契約法一八条一項)。就業規則や労働協約等に別段の定めがあるかどうかによります。

 ところであなたは現状の有期労働契約でもご自分の賞与は低すぎておかしいと思うとのこと。あなたの疑問はもっともです。労働契約法二〇条は、期間の定めがあることによる有期契約労働者と無期契約労働者(正社員)との労働条件の相違について「不合理と認められるものであってはならない」と定めています。

 不合理にあたるかは(1)職務の内容(業務の内容と責任の程度)(2)職務内容・配置を変更する範囲(3)その他の事情−で判断されます。

 例えば、会社が賞与は業績に対する貢献度に応じて支給すると言いながら、正社員は仕事に関係なく平均的な勤務をしていれば二カ月の賞与が支給され、あなたの賞与が五万円に抑えられているというのであれば、不合理であると問題にできます。

 厚生労働省の通達では個々の労働条件の違いが不合理と認められれば、その労働条件は無効で、正社員と同じ労働条件が認められると解釈しています。ただまだ裁判例が少なく、判断基準は確立していません。また政府は近くパートと有期労働契約者、派遣労働者の処遇について法改正の予定です。

 無期労働契約転換権を行使できる時期は、労働契約法一八条が施行された二〇一三年四月から起算して、通算五年を経過した後にくる契約期間からです。あなたの場合は二〇一八年四月からになります。無期転換を求めるかどうか情報を集め検討しましょう。

 

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