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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 分譲マンション民泊利用され迷惑

<お悩み> 住んでいる分譲マンションの一室に旅行客と思われる人が出入りしています。共用スペースにたむろしたり、深夜まで大声で話したりして、苦情が居住者から寄せられています。いわゆる「民泊」で使っているようですが、部屋の所有者は「通常の賃貸だから問題ない」と言い、取り合ってくれません。管理組合として何か対処できませんか。 (東京・会社員 55歳)

◆管理規約改正し禁止に

<お答え> 最近、空き部屋を旅行者に有料で貸す「民泊」が話題となっています。観光政策として容認しようとする動きがある一方で、利用者と近隣住民との間のさまざまなトラブルが問題となっています。

 分譲マンションを対象とする区分所有法では、区分所有者の共同の利益を害する行為が行われた場合、管理組合は、その行為の停止、予防のために必要な措置をとることができます。

 マンションの管理規約では建物の使用目的を「居住」、「事務所」に限定する例が多いです。ご質問のように不特定多数の利用者がひんぱんに出入りする利用形態は、管理規約違反といえます。また現に、他の居住者に日常的な迷惑をかけていれば、そのような利用形態をやめさせる措置をとることができます。なお、訴訟を提起する場合には、組合の総会決議が必要です。

 実際、マンションの一室を「民泊」で使用した事案で、当時の所有者に賠償責任を認めた裁判例があります。この事案では、対象の部屋が売却されて「民泊」に使われなくなったため、差し止めは認められませんでした。しかし、判決内容からすると、使用し続けていた場合は「民泊」に使うことを差し止める判断がされたと思われます。

 一定の要件のもとで「民泊」を認める住宅宿泊事業法が六月に成立、来年六月までに施行されます。この法律では、民泊事業をするには自治体への届け出が必要ですが、国土交通省は管理規約で「民泊」を禁止したマンションについては、届け出を認めない方針を出しています。

 ご質問については、現在の所有者への対応をきちんと行うとともに、民泊禁止など組合の規約改正を行うことも検討した方がよいでしょう。

 

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