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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 請負契約者は労災使えない?

<お悩み> 出版社と請負契約を結び、校正業務をしています。定時出社が義務付けられ、報酬は定額です。深夜に及ぶ勤務を命じられることも多く、最近うつ病と診断され出勤できなくなりました。労災保険で休業補償がもらえないかと会社に相談すると、「あなたは請負契約者で労働者でないため労災保険は使えない」と言われました。仕方ないのでしょうか。 (東京・請負契約者 30代)

◆労働者と判断されれば可

<お答え> 働く人を守る労災保険法や労働基準法などの適用を受けられるのは「労働者」です。このため請負契約で働く人は、これらの法律による保護を受けられません。

 しかし実態は「労働者」と同じように働かせているにもかかわらず、法の適用を免れるために請負や業務委託などのかたちで契約を結ぶ企業が少なくありません。このようなケースでは、実態が「労働者」であることを明らかにできれば、労災保険法などの適用を受けられます。

 「労働者」とみなされるためには、使用者の指揮監督の下で、労務を提供していると認められなければなりません。具体的には、(1)仕事の依頼を拒否できない(2)業務のやり方について具体的な指示を受ける(3)勤務時間、勤務場所について拘束を受ける(4)他人にその仕事をさせることが許されない(5)報酬が仕事の完成度合いに応じて支払われるのではなく、労務提供そのものに対して支払われている−といったことを総合的に考慮して決められます。

 あなたの場合を検討しますと、まず深夜まで働くことは会社命令です。また決まった出勤時間がある。さらに会社で働くことが義務付けられ、報酬が仕事の完成に応じて校正一件ごとにいくらと決められていない点などからすると、労働者と判断される可能性が高いと言えます。

 労災保険の申請窓口は、労働基準監督署ですので、一度、相談に行かれることをお勧めします。なお、労働者と認められた場合、あなたの病気が労災と言えるかが判断されますが、深夜に及ぶ長時間労働によって精神疾患になったのであれば、認められる可能性が高いと考えられます。

 

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