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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 小3同士の事故 治療費の請求は

<お悩み> 小学3年の9歳の息子が夏休み中、公園のジャングルジムで遊んでいたところ、同じクラスの男子2人に体を揺すられました。息子は落ちて骨折などの大けがをしました。相手の両親はいずれも「遊ぶときは他の子どもに気をつけてと注意しているので親に責任はない」と主張します。治療費など相手の親に請求できないのでしょうか。 (神奈川・主婦 40歳)

◆相手の親に支払い義務

<お答え> 息子さんはもちろん、ご家族にも、とてもつらいことでしたね。

 子どもが事故を起こした場合、まずは子ども自身に責任能力、つまり自分のしたことによって法律上の責任が生じることを理解する能力があるかを考えます。責任能力は十二歳前後で認められることが多いです。ご相談の子どもは八、九歳ですから責任能力は認められないでしょう。

 責任能力が認められない場合、被害者保護の趣旨から、親は原則、責任能力のない子の責任を負います(民法七一四条)。そのため、相手の子どもの両親は、息子さんの治療費などを支払う義務を負う可能性があります。

 親に責任がないと主張するためには、子どもに対して監督義務を怠らなかったことや、監督義務を怠らなくても損害が生じたことを証明しなければなりません。

 もっとも親は、けがをさせるような行為について監督を怠らなかっただけでは足りず、子どもの行動について一般的に日常の監督を怠っていなかったことを証明しなければなりません。この証明は難しいため、相手方の親の責任が認められないケースはなかなかないでしょう。

 相手方の親は「遊ぶときは他の子どもに気をつけて」と言っているようですが、この言葉だけで監督義務を裏付けることはできないと考えます。

 なお事故を起こした子どもに責任能力があっても、その親が被害者に責任を負うこともあります。ただ、この場合は被害者側が親の責任を証明しなければならず、被害者側の負担は大きくなります。

 相手方の親に対して治療費などを請求しても、話し合いが進まない場合は、弁護士に相談するなどしてみてください。

 

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