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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 夫と死別、姻族関係終了するには

<お悩み> 夫が30代で病死し、働きながら息子を育てています。教育費の負担が重く、両親は実家に戻ってきたらと言います。夫の七回忌の際、義父母にその話をしたら、義父から「姻族関係を終わりにしてもよい」と言われました。夫の両親とは仲が良かったので寂しくなりましたが、姻族関係の終了ということが分かりません。姓も元に戻るということでしょうか。 (愛知・会社員 37歳)

◆役場に「終了届」提出を

<お答え> 姻族関係の終了とは、生存配偶者の意思表示によって、死亡した配偶者の親やきょうだいなどの血族との親族関係を終了させることです。

 配偶者と死別した場合、離婚と違って、配偶者の親などとの姻族関係はそのまま継続します。法律では「家庭裁判所は、特別の事情があるときは(略)三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」(民法八七七条二項)と定めているので、あなたが夫の親の扶養義務を負うこともあり得るのです。介護やお墓の管理や親戚付き合いなど、負担と思うこともあると思います。

 このような法的責任や煩わしさを免れるためには、市区町村役場に「姻族関係終了届」を出せばよいのです。これができるのはあなただけで、相手方の同意は不要です。

 夫との関係は死別ですので、この届け出をしたからといって、夫の遺産の相続人である立場や、遺族年金の受給資格に影響はありません。あなたが姻族関係を終了させても、ご子息は祖父母の血族ですので、将来、祖父母の相続人としての地位を失うわけではありません。

 また、この届けをしても、元の姓に戻らなければならないということはありません。配偶者が死亡した場合、婚姻前の姓に戻ることができます(民法七五一条一項)。姻族関係の終了と姓を戻すことは別の問題で、自由に決めることができます。

 姻族関係の終了は、最近では「死後離婚」などと呼ばれ、仲がよくなかった夫婦のための制度のように話題になっていますが、いろいろなケースがあります。姻族関係の終了は、自分にとってのメリットとデメリットをよく考え、決めることです。提出期限はありません。

 

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