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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 兄弟で相続の土地、弟が分割要求

<お悩み> 3人兄弟の2番目です。15年前に父母が亡くなり、父名義の土地は、3人の子が3分の1ずつ相続して共有になっており、その土地には私名義の自宅があります。土地の広さは45坪ですが、独身の弟が小さな家を建てたいので15坪ほど分割してほしいと言い出し、困っています。兄は私に協力すると言っていますが、どうしたらよいでしょうか。 (静岡・会社員 45歳)

◆共有関係解消の検討を

<お答え> 共有物については、各共有者はいつでも分割を請求できます(民法二五六条一項)。将来、相続などで共有者の数が増えると、話がさらに複雑になります。この際ですから、共有関係を解消する方向で、弟さんと話し合いを始めてはどうでしょうか。

 共有の解消方法は三つあります。一つ目は現物分割。土地を共有者で分けます。二つ目は代金分割で、共有する土地を売却して代金を所有者で分けます。三つ目は価格賠償。共有者にお金を払って持ち分を譲ってもらいます。

 裁判では、現物分割を原則としつつ、現物分割が不可能であるか、または分割によって著しく価格を損じるおそれがあるときは、競売をして代金分割することができる旨が定められています(民法二五八条二項)。

 これ以外に、一人が所有権を持つ代わりに、他の共有者にお金を払う「全面的価格賠償」も認められることがあります。

 この方法が許される主な要件は、(1)特定の共有者に取得させることが相当であること(2)共有者間の実質的な公平を害しないこと、つまり取得を希望する者が支払う賠償金の額が適正価格であること(3)取得者に賠償金の支払い能力があることです(最高裁一九九六年十月三十一日判決)。

 弟さんが求めている十五坪が、あなたの家を壊さないで取れるのか、分割した土地や残されたあなたの家の敷地が接道義務を果たせるのかなど「全面的価格賠償」が認められるかどうか、検討してみてください。

 あなたが住み続けたいのであれば、価格賠償を持ちかけてみましょう。協議が進まないようであれば、相手の提訴を待つか、あなたから民事調停を申し立てる方法もあります。

 

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