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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 滝沢香弁護士> 故人のため立て替えたお金を回収したい

<お悩み> いとこが92歳で亡くなりました。いとこの妻は既に亡くなり、子やきょうだいもいなかったので、近くに住む私たち夫婦が炊事洗濯など身の回りの世話や介護をしてきました。税金や公共料金を支払い、葬儀費用の立て替えもしました。いとこは、自宅不動産を所有していたのですが、遺言などはありません。立て替えたお金を回収できませんか。 (埼玉・無職 67歳)

◆まず家裁に申し立てを

<お答え> いとこの方(被相続人といいます)には法定相続人がおられないようです。この場合、被相続人に利害関係のある人や検察官が家庭裁判所に申し立てると、弁護士などの相続財産管理人が選ばれます。その人が相続財産を管理し、本当に相続人がいないか、被相続人に債権を有する人がいないかなどを法律の手続きに従って調査し、財産の管理をします。

 相続財産管理人が選任されると官報に掲載され、二カ月して相続人が出てこない場合、被相続人に債権を有している人や遺言で相続財産を受け取ることになっている人などに申し出るよう求めます。あなたの場合、この時に債権(立て替えた葬儀費用など)の届け出をします。その後、相続人を探すための手続きをへて、相続人の不存在が確定します。

 相続人がいないことを受け、相続財産管理人が家庭裁判所の許可を得て財産を金銭に換えるなどします。あなたの立て替え金は、相続財産管理人から支払われます。残りの財産は、国に帰属します。

 あなたの場合、被相続人の晩年に介護などにも尽くしているので、立て替え金の支払い以外に、特別縁故者として財産の分与を請求することも考えられます。相続人がいないことが確定してから三カ月以内に家庭裁判所に手続きをとり、裁判所が相当と認めれば、残った財産の全部または一部が与えられます。特別縁故者として認められるかは、具体的な事情やそれを裏付ける証拠などに基づいて個別に判断されます。

 立て替え金の回収には、まずあなたが相続財産管理人の選任を申し立てる必要があります。その後の手続きも法律で定められた期限に従い対応する必要があります。早めに弁護士に相談してください。

 

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